新種・珍種がざっくざく、南硫黄島【みなみいおうとう】

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南硫黄島という島を、御存知ですか? 大部分の方は、聞いたこともないでしょう。日本の南の果てのほうの、無人島です。小笠原諸島に属します。
 この島で、最近、重大な生物の発見が、いくつもありました。以下に紹介しますね。
 一つは、昆虫の珍種の再発見です。絶滅したと思われた種が、生きていました。ハナアブ(花虻)の一種です。オガサワラハラナガハナアブという種です。
 この種は、1963年に、小笠原の父島と母島で、発見されました。ところが、その後、父島でも母島でも、生息が確認できませんでした。40年以上を経て、再発見です。
 オガサワラハラナガハナアブは、何を食べるのかすら、わかっていません。「ハエ目ハナアブ科ハラナガハナアブ属に属するらしい」と知られるだけです。
 貝の仲間でも、再発見がありました。ナカダノミガイと、タマゴナリエリマキガイです。どちらも、陸の巻貝(カタツムリ)です。両種とも、戦前に、父島で記録されたきりでした。やはり、絶滅したと思われていました。60年以上の空白が、あったわけです。
 ワラジムシの仲間でも、珍しい種が発見されました。節足動物門【せっそくどうぶつもん】軟甲綱【なんこうこう】等脚目【とうきゃくもく】ミズムシ亜目に属する種です。昆虫にも、ミズムシと呼ばれる仲間がいますが、それとは違います。
 この種が新種かどうかは、まだ、確認されていません。けれども、たいへん貴重な種なのは、確かです。なぜなら、陸に棲むからです。等脚目のミズムシには、これまで、陸に棲む種が、見つかっていません。今まで知られる種は、すべて、海水や淡水に棲みます。もしかしたら、南硫黄島のミズムシは、世界初の「陸生ミズムシ」かも知れません。
 その他にも、世界中で、南硫黄島にしかいない生き物が、確認されました。植物のエダウチムニンヘゴ、鳥類のクロウミツバメ、昆虫のミナミイオウヒメカタゾウムシなどです。
 これ以外にも、昆虫や、クモや、カタツムリの新種が見つかっています。希少な生き物も、多数、確認されました。日本にも、まだ、こんな生き物の楽園があるのですね。末永く、この楽園が、維持されて欲しいです。

 過去の記事でも、小笠原諸島など、島の貴重な生き物を取り上げています。また、数十年の空白を経て再発見された生き物も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ダイトウウグイス復活!(2008/05/29)
再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07)

海中のオブジェ? パイプウニ(2007/11/16)
メグロはメジロと仲良し?(2007/11/12)
大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/9) ※南硫黄島にもいるトカゲです。
ヤシ? いいえシダの木です。マルハチ(2007/11/2) ※南硫黄島のエダウチムニンヘゴに近縁な植物です。
虫が島を壊す? ナナツバコツブムシ(2007/6/28) ※南硫黄島のミズムシと同じ等脚目【とうきゃくもく】の生き物です。
などです。


図鑑には、マルハチワラジムシオガサワラトカゲオガサワラオオコウモリカワラヒワ(オガサワラカワラヒワの画像もあります)など、南硫黄島に棲む生き物や、それらに近縁な生き物が掲載されています。ぜひご利用下さい。

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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2008年6月10日 15:03に書いたブログ記事です。

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