アシナガバチ? いえ、カシコスカシバです

user-pic
0

ico_weather_hare.gif


 ガ(蛾)の仲間は、夜に活動する昆虫として、知られますね。彼らが夜行性なのは、「敵から逃れるため」と考えられています。
 昆虫の主な敵は、鳥です。鳥類は、ほとんどが、昼間に活動しますね。鳥を避けるため、多くのガは、昼間、じっと隠れています。
 ところが、中には、昼に活動するガがいます。彼らは、どうやって、敵から逃れるのでしょう? そのような種は、敵を「だます」ものが、多いです。
 例えば、カシコスカシバというガがいます。体が細長いです。黄色と茶色の縞模様があります。翅【はね】は、透き通ります。ぶんぶんと、すばやく飛びます。そう、ハチ(蜂)にそっくりなのですね。ガだと言われても、信じられないほど、似ています。
 ハチが危険なことは、鳥も知っています。ですから、ハチを食べません。ハチに擬態【ぎたい】すれば、身を守れるわけです。擬態とは、形や動作をまねることです。
 似た例は、他種の昆虫でも、あります。トラフカミキリなどが、そうですね。以前、ここのブログでも、取り上げました。トラフカミキリは、甲虫の仲間のカミキリムシです。カシコスカシバとは、縁が遠いです。なのに、ハチにそっくりなのは、同じです。
 カシコスカシバや、トラフカミキリ以外にも、ハチに似た昆虫が、たくさん、います。よほど、ハチの危険さが、知れ渡っているのでしょう。たいていの生き物は、ハチを避けます。スズメバチや、アシナガバチは、ヒトにさえ、危険ですね。
 カシコスカシバが、ハチに似るのは、外見だけです。本物のハチと違って、刺しません。ハチに似る昆虫は、多くが、そうです。「私は危険」と、だましています。
 カシコスカシバの幼虫は、成虫と違うやり方で、身を守ります。樹木の皮の下に、隠れます。幼虫の食べ物は、樹木の材です。食べ物の中に、隠れるのですね。
 幼虫は、ナラ(楢)、カシ(樫)、シイ(椎)、クリ(栗)などの木を食べます。だから、カシ(樫)コスカシバという名が付きました。「スカシバ科に属するガで、小型の、カシを食べる種」という意味です。早口言葉になりそうな名ですね(笑)
  


図鑑には、カシコスカシバが掲載されています。ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、ハチに似た昆虫や、ハチを取り上げています。また、他のガの仲間も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 トラフカミキリは、スズメバチのそっくりさん(2007/09/21)
 オオスカシバ(2007/08/04) ※カシコスカシバと同じスカシバ科の、オオスカシバの画像です。
 虚々実々の駆け引き、ガ(蛾)対コウモリ(2007/07/13)
 アシナガバチは紙の工芸家?(2006/09/22) ※カシコスカシバは、アシナガバチに擬態【ぎたい】しているといわれます。
などです。


トラックバック(0)

トラックバックURL: http://blog.zukan.net/MovableType4/mt-tb.cgi/5092

コメントする

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2008年9月15日 07:49に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ブルーサルビア」です。

次のブログ記事は「シロシキブ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。