サツマイモの故郷は、どこ?

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 秋は、芋【いも】掘りの季節ですね。日本で芋掘りといえば、普通は、サツマイモ掘りを指します。それほど親しまれるのに、サツマイモは、日本原産ではありません。
 日本の本土で、早くからサツマイモを受け入れたのが、鹿児島県でした。江戸時代、薩摩【さつま】藩から送られた苗が、関東に広まった、といいます。だから「薩摩芋」です。
 鹿児島へは、南西諸島から伝わりました。南西諸島へは、中国から移入されました。中国へは、フィリピンから入れられました。フィリピンへは、メキシコから導入された、といわれます。なぜ、ここでいきなり、こんなに遠距離を、移動したのでしょう?
 これは、ヨーロッパの大航海時代と、関係します。メキシコとフィリピンとは、同じスペインの植民地でした。スペイン人が、メキシコからフィリピンへ、サツマイモを運びました。では、メキシコが、サツマイモの原産地なのでしょうか?
 そういう説も、あります。メキシコには、サツマイモの祖先とされる野生種があります。ラテン語の学名で、Ipomoea trifidaという種です。日本語名は、ありません。
 ところが、この野生種は、中米のメキシコから、南米のペルーにまで、分布します。これらの地域のどこで、最初に「サツマイモ」ができたのか、わかっていません。
 最古のサツマイモの遺物は、ペルーで、見つかっています。紀元前一万年という、古いものです。これを根拠に、「ペルーがサツマイモの原産地」という説も、あります。
 サツマイモの伝播には、大きな「謎」があります。フィリピンのサツマイモを調べると、「スペイン人が来る前にも、サツマイモがあったらしい」とわかってきました。サツマイモは、自力で海を越えられません。誰が、いつ、どうやって、持ち込んだのでしょう?
 ヨーロッパの大航海時代が始まる前から、サツマイモは、太平洋の島々に分布していました。フィリピン、インドネシア、ニューギニア、タヒチ、ハワイなどです。絶海の孤島、イースター島にさえ、ヨーロッパ人が来る前から、サツマイモがありました。
 きっと、はるか昔に、南米と太平洋の島々とを、往来した人々がいたのでしょう。でなければ、謎は解けません。サツマイモには、古代文明のロマンがありそうです。
  


図鑑には、サツマイモが掲載されています。ぜひご利用下さい。

 
 過去の記事で、サツマイモ以外のイモ類を取り上げています。また、サツマイモに近縁なアサガオ(同じヒルガオ科サツマイモ属)も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 2008年は国際イモ年、それ本当?(2008/07/30)
 「朝顔」は、謎の植物(2008/07/21)
 昔は主食だった? サトイモ(里芋)(2008/06/27)
などです。


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このページは、松沢千鶴が2008年9月22日 06:28に書いたブログ記事です。

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