日本に、大蛇はいるか?

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 古来、日本には、いくつもの大蛇の伝説があります。中には、「ヒトを呑みこんだ」などという話も、ありますね。そんなに大きなヘビは、日本にいるのでしょうか?
 少なくとも、ヒトを呑むほど大型のヘビは、いません。確認される限りでは、日本本土で最大のヘビは、長さ2mほどです。それは、アオダイショウ(青大将)です。北海道から九州まで、普通にいる種ですね。大蛇と呼ぶには、迫力不足です。
 南西諸島には、もう少し、大きくなるヘビがいます。サキシマスジオです。スジオナメラという種の、一亜種です。日本最大といっても、せいぜい、長さ2.5mまでです。
 普通のアオダイショウの大きさは、1mを越えるくらいです。2mを越えるものは、めったにいません。ヘビを見慣れない人ですと、1mほどの個体でも、ひどく大きく見えます。写真などの証拠がないなら、目撃情報は、当てになりません。
 時おり、ヘビの抜け殻が、「大蛇の証拠」として挙げられます。まれに、「2mを越える長さの抜け殻が見つかった」と、話題になることがあります。
 けれども、抜け殻だけでは、「大蛇」と決められません。抜け殻は、本体のヘビよりも、伸びて大きくなるからです。本体のヘビは、拍子抜けするくらい、小さいものです。
 アオダイショウは、人家の近くに、よく現われます。当然、目撃される機会が、多いです。大きな個体がいれば、人目にとまりやすいでしょう。「大蛇」伝説は、そんなところから、生まれたのではないでしょうか。
 伝統的に、日本の農家では、アオダイショウを大切にします。彼らは、ネズミを好んで食べるからです。英語で、rat snake(ネズミヘビという意味)と呼ばれるほどです。
 人家のネズミは、害獣とされますね。特に、養蚕【ようさん】農家では、ネズミの害は、深刻でした。ネズミが、カイコ(蚕)をかじるからです。アオダイショウは、カイコの守り神とされたのでしょう。家に入ってきても、追い出されたりしませんでした。
 伝説の大蛇と違って、アオダイショウは、ヒトには害を与えません。逆に、役に立ってくれます。昔の農家のようには行かなくても、彼らと共存し続けたいですね。
  


図鑑には、アオダイショウが掲載されています。ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、日本のヘビを取り上げています。また、真の意味で「大蛇」といえる外国のヘビも、とりあげています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 春と秋しか行動しない? ジムグリ(2007/09/17)
 マムシは「出産」する?(2007/08/31)
 人に化ける蛇(ヘビ)? アカマタ(2007/08/20)
 ヘビに呑まれた生き物は、救えるか?(2007/01/30)
 ニシキヘビの危険度は?(2005/09/14)
などです。


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このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2008年9月26日 07:46に書いたブログ記事です。

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