新種のシャコガイ発見

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 またもや、アフリカから、新種発見のニュースです。貝の新種が、発見されました。
 発見されたのは、シャコガイの仲間です。熱帯の、サンゴ礁の海に棲む二枚貝ですね。新種は、シャコガイ科シャコガイ属に属します。
 日本語の報道では、この新種は、「ミル貝(ミルクイ)」とされていますね。けれども、これは、誤りです。同じ貝でも、「ミル貝」と「シャコガイ」とは、別ものです。
 新種は、ラテン語の学名で、Tridacna costataと名づけられました。今のところ、日本語名は、付いていません。
 新種のシャコガイは、とても数が少ないです。現在までに、確認されたのは、わずか13個体です。場所は、紅海のヨルダン沿岸です。世界一、希少な貝かも知れません。
 公開された画像では、大きさがわかりませんね。シャコガイ属であれば、大型になるかも知れません。シャコガイ属の種には、大きくなるものがいるからです。オオシャコガイなどは、殻の長さが、1mを越えることもあります。
 むろん、そんなに大きいものばかりでは、ありません。ヒメシャコガイなどは、殻の長さ10cmほどです。今回の新種も、大きさは、そんなものかも知れません。
 新種のシャコガイは、なぜ、こんなに数が少ないのでしょう? 古代に、ヒトが乱獲したのでは、と考えられています。シャコガイの仲間は、食用になるからです。
 今回の新種にとっては、浅い海に棲むことが、致命的でした。ヒトが獲りやすい場所に、いるわけですね。分布域が、紅海――アフリカ大陸とアラビア半島の間にある――なのも、災いしました。人類の生まれ故郷の、近くだったのです。
 化石の証拠によれば、十万年以上前には、この貝は、たくさん生息していたようです。それが、急激に減りました。その頃、人類は、アフリカ大陸を出て、他の地域へと広がるところでした。この貝は、食料として、ちょうどよかったのでしょう。
 人類の乱獲が、本当に、この貝を減らした原因かどうかは、まだ不確実です。かといって、今、保護しなくていい理由は、ありませんね。彼らを、後世に残したいです。




図鑑には、今回の新種と近縁なオオシャコガイが掲載されています。ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、貝の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ヒトデ退治は法螺【ほら】じゃない? ホラガイ(2008/07/25)
 安物から高級食材へ、アカガイ(赤貝)(2008/05/02)
 四百年、生きた貝がいる?(2007/11/01)
 魚と持ちつ持たれつ? イシガイ科の二枚貝たち(2007/04/02)
 真珠貝【しんじゅがい】の秘密(2006/06/16)


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 忘年会の季節ですね。今の日本では、世界中の食べ物が、食卓に上ります。  最... 続きを読む

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ご無沙汰しています。

このニュースの対象は元々自分の専門領域だったので、調べてみました。

ニュース元を見に行きました。貝の写真はTridcna maxima つまり和名のシラナミまたはナガジャコそっくりです。シラナミはインド洋から太平洋のサンゴ礁に広く分布しています。形態的に見分けるのが難しいこのcostataが遺伝的にどこがどのように違うのか最新論文検索をかけてみましたが、何も出ていません。まだ学術論文にはなっていないのでしょう。ニュースが先走りしているかもしれませんね。

maximaにしても広い分布地域間で遺伝的に変異を重ねているでしょうから、別種扱いされる地域集団がいてもおかしくないかもしれません。

コメントありがとうございます > beachmolluscさん。
 貝類(軟体動物)が御専門とのことで、beachmolluscさんから、コメントがあるのではないか、と期待しておりました(^^)


 新種のニュースは、扱いが、難しいです。センセーショナルに報道されるわりに、確実な内容が少ないことが、多いですよね。


 今回の「新種のシャコガイ」も、どこがどう違うために新種なのか、よくわかりません。
 私も、続報を待っているところです。

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このページは、松沢千鶴が2008年9月 4日 07:16に書いたブログ記事です。

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