冬に黄色くなる? テン(貂)の謎

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 哺乳類は、夏と冬とで、毛変わりしますね。イヌやネコなどを飼う方なら、御存知でしょう。野生の哺乳類も、もちろん、毛変わりします。ウサギやオコジョのように、冬毛が白くなるものも、多いですね。雪の中で、目立たないためでしょう。
 ところが、冬に白くなるのではなく、黄色くなる哺乳類がいます。テンという種です。
 テンは、日本や朝鮮半島に分布します。食肉目【しょくにくもく】イタチ科に属します。イタチに近縁なのですね。姿も似ています。胴と尾が長く、脚が短いです。
 夏のテンは、全体的に茶色いです。喉から胸にかけては黄色く、顔は黒いです。冬は、一部のテンが、全身黄色くなります。顔だけは、白いです。
 今、一部のテンと書きましたね。すべてのテンが、冬に黄色くなるのではありません。冬毛に変わっても、茶色っぽいままのものもいます。すすけたような色なので、そのようなテンを、スステンと呼びます。冬毛が黄色いものは、キテンと呼びます。
 スステンとキテンは、別の種だと考えられた時もありました。今では、同種(同じテン)だとされています。なぜ、このような色の違いがあるのかは、わかっていません。冬に、白ではなく、黄色になる理由も、不明です。目立ってしまいそうですよね?
 テンの中には、三つの亜種があります。日本の本州、四国、九州にいるのが、ホンドテンという亜種です。スステンとキテンは、すべて、ホンドテンに含まれます。日本の対馬にいるのが、亜種ツシマテンです。朝鮮半島にいるのが、亜種コウライキテンです。
 ツシマテンは、冬にも、全身は茶色っぽいです。スステンに似ています。が、喉から胸にかけて黄色で、そこに、茶色や黒の斑点があります。これが特徴です。
 コウライキテンは、冬、全身が黄色くなります。日本本土のキテンに似ています。これは、不思議なことです。なぜなら、ツシマテンは、冬に黄色くならないからです。
 対馬は、日本本土より、ずっと朝鮮半島に近いです。対馬のツシマテンと、朝鮮半島のコウライキテンが似ないのは、不思議ですよね。
 日本周辺の哺乳類でも、まだ、謎が多いのですね。自然界は、奥深いです。


図鑑には日本本土のテン(キテン)が掲載されています。ぜひご利用ください。


 過去の記事でも、食肉目【しょくにくもく】の哺乳類を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
白貂【しろてん】の正体はオコジョ?(2008/02/01)
ホッキョクグマが絶滅する?(2007/09/12)
ツシマヤマネコの撮影に成功、対馬の下島【しもじま】にて(2007/05/10)
クマ(熊)の害を防ぐには?(2006/10/09)
新種のジャコウネコ発見?(2005/12/07)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2008年12月15日 07:10に書いたブログ記事です。

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