ウミウシは何の仲間?

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 二〇〇九年は、丑年【うしどし】ですね。それにちなんで、「ウシ」の名が付いた生き物を紹介しましょう。ウミウシ(海牛)です。
 ウミウシは、牛の仲間ではありません。それどころか、哺乳類でさえありません。巻貝の仲間です。専門的にいえば、軟体動物門【なんたいどうぶつもん】腹足綱【ふくそくこう】というグループに属します。名のとおり海中に棲みます。
 まったく違う生き物なのに、なぜ、ウミ「ウシ」なのでしょうか? 角のような触角【しょっかく】があるからです。このため、「海の牛」に見立てられたのですね。
 巻貝とはいえ、ウミウシは、貝殻を持ちません。軟らかい体だけで、海底を這っています。しかも、ウミウシには、派手な体色の種が多いです。これでは、すぐに、敵に見つかってしまいそうですね?
 じつは、多くのウミウシが、毒を持ちます。おかげで、他の生き物に、食べられません。体色が派手なのも、毒と関係するようです。「毒があるぞ」と周囲に警告することで、身を守っているのでしょう。警戒色というものですね。
 ウミウシは、「自分では、毒を作らない」といわれます。では、どうやって、毒を持つのでしょうか? 食べ物から得ます。毒のある生き物を食べて、その毒を流用します。
 実際には、何を食べるのか、解明されているウミウシは、少ないです。知られる範囲では、有毒の海綿動物【かいめんどうぶつ】(カイメン)や、刺胞動物【しほうどうぶつ】(クラゲなど)を食べる種がいます。これらの種は、食べたものの毒を、利用します。
 何を食べるのか、知られないウミウシが多いのは、研究が進んでいないからです。ウミウシは、ヒトの生活に、直接、関わりませんね。そのため、研究が進んでいません。種の分類さえ、定かでないものが多いです。
 けれども、近年、状況が変わってきました。ダイビングをやる人が、増えたためです。きれいなウミウシは、良い観察対象です。新しいことが、少しずつ、わかってきました。いずれ、ウミウシの毒の秘密も、わかるのではないでしょうか。
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図鑑にはアオウミウシシロウミウシミノウミウシが掲載されています。ぜひご利用ください。


 過去の記事でも、ウミウシのように、「殻を持たない巻貝」を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
いじめると雨が降る? アメフラシ(2007/04/23)
ナメクジは塩をかけると溶ける?(2006/06/23)
ハダカカメガイ(クリオネ)は流氷の天使か?(2006/01/09)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2008年12月29日 07:19に書いたブログ記事です。

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