サンキライ? いえ、サルトリイバラです

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 最近は、クリスマスのリースを、手作りする方も、多いですね。園芸店や手芸店で、リース材料の植物が、売られています。
 リース材料の中に、時おり、「サンキライ(山帰来)」というものを、見かけます。つる状の枝に、赤い果実が、たくさん付いています。
 これは、サンキライという名の植物なのでしょうか? そうでないことも、あります。
 サンキライ(山帰来)という種名の植物は、実在します。ただし、日本には、自生しません。中国などに生えます。日本で「サンキライ」として売られるのは、別種の「サルトリイバラ」が、ほとんどです。サンキライと同じ、シオデ属の、つる植物です。
 サルトリイバラとは、面白い名ですね。枝に棘が多いため、名づけられました。「棘に、サルがからまるだろう」というわけです。本物のサンキライには、棘が、ありません。
 サルトリイバラの棘は、サルを捕るために、あるのではありません。他の樹などに、引っかけるためにあります。棘を足がかりにして、他の樹などに這い上がります。
 サルトリイバラが、リース材料にされるのは、なぜでしょう? つる植物であることが、一つです。丸く曲げやすいですよね。もう一つは、赤く、美しい果実がなるからでしょう。赤は、クリスマスに用いられる色です。生命力を表わします。
 日本では、サルトリイバラが、クリスマス以外の行事に、使われることがあります。地方により、端午の節句(五月五日)に、使うそうです。サルトリイバラの葉で、柏餅【かしわもち】のように、団子を包むといいます。西日本の風習です。
 ラテン語の学名では、サルトリイバラを、Smilax chinaといいます。Smilax(スミラクス)とは、ローマ神話の妖精の名に由来します。その妖精は、人間の男に恋をしました。それは、悲恋に終わりました。そのため、彼女は、植物に姿を変えたとされます。
 ところが、この妖精が変身したのは、サルトリイバラではないようです。別種の植物だったのが、取り違えられたらしいのですね。
 他種と間違えられてばかりでは、サルトリイバラが、気の毒になりますね。


図鑑には、サルトリイバラ掲載されています。ぜひご利用ください。

 過去の記事でも、クリスマスに関連する植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 クリスマスローズはクリスマスに咲かない?(2007/12/03) 
 ポインセチアはクリスマスの花?(2006/12/14) 
 西洋ヒイラギはクリスマスに、ヒイラギは節分に(2005/12/23)
 などです。

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このページは、松沢千鶴が2008年12月 8日 07:19に書いたブログ記事です。

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