田で平たくなるから、タビラコ(田平子)?

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 春の七草の一つに、「ほとけのざ」がありますね。漢字で書けば、「仏の座」です。これの正体については、古来、いろいろと議論されてきました。
 現在、正式な種名を、ホトケノザという植物があります。けれども、この種は、「昔の『ほとけのざ』とは違う」と考えられています。一般的には、「春の七草の『ほとけのざ』は、現在のコオニタビラコという種だ」とされています。
 現在のホトケノザと、コオニタビラコとは、似ていません。分類上も、遠縁です。ホトケノザは、シソ科に属します。コオニタビラコは、キク科に属します。
 では、なぜ、この二種が、同じ名で呼ばれるのでしょうか?
 現在のホトケノザに、その名が付いたのは、葉の付く様子によります。茎の周りを、くるりと囲むように、葉が付きます。この様子を、「仏の座」にたとえたのですね。
 コオニタビラコのほうは、普段は、「仏の座」に見えるところはありません。しかし、そのように見える時期があります。ちょうど今ごろの、寒い時期です。
 雪国でなければ、冬、コオニタビラコの「仏の座」を見られるかも知れません。刈り入れ後の田や、道端を、注目してみましょう。地面にぴったりとくっついて、葉を広げた草がありませんか? ぐるりと円状に葉があるので、「仏の座」のように見えます。
 じつは、このような「仏の座」状になる植物には、たくさんの種があります。コオニタビラコに近縁なヤブタビラコ、春の七草の一種であるナズナなども、「仏の座」になります。他には、オオバコや、タンポポの仲間も、「仏の座」を作ります。
 専門的には、このように地面にくっついて、円状になった植物の状態を、「ロゼット」と呼びます。ロゼットになるのは、日光を、少しでも多く受けるためです。
 コオニタビラコや、ヤブタビラコの「タビラコ」とは、このロゼットの様子から、名づけられたと考えられます。「田で平たくなる草」の意味でしょう。
 他に、ムラサキ科のキュウリグサなども、タビラコと呼ばれます。同じく、ロゼットになるからです。昔の人にとっては、親しみの持てる名だったのでしょうね。



図鑑には、ホトケノザが掲載されています。


 過去の記事でも、春の七草を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ハコベという植物は、ない?(2009/01/05) 
 ハハコグサは、母子草ではない?(2008/02/15) 
 七草ナズナは、ぺんぺん草(2008/01/07)
 謎の「カブラ・ライン」とは?(2007/10/29) 
 日本のダイコン(大根)は世界一(2007/01/15)



などです。

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このページは、松沢千鶴が2009年1月16日 07:26に書いたブログ記事です。

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