ハコベという植物は、ない?

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 七草粥【ななくさがゆ】は、日本のお正月の行事ですね。春の七草を入れたお粥です。
 春の七草の中に、「はこべら」がありますね。これは、現在のハコベのことだといわれます。ところが、正式な日本語の種名を、「ハコベ」という植物は、ありません。
 ハコベとは、数種の植物を、まとめて呼ぶ名なのですね。普通、ハコベと呼ばれるのは、正式な種名をコハコベというものと、ミドリハコベというものです。どちらも、ナデシコ科ハコベ属に属する種です。
 コハコベと、ミドリハコベは、外見が似ています。名のとおり、コハコベのほうが、少し小さいです。食用になるのは、どちらも同じです。スーパーなどで売られる「七草セット」の「ハコベ」には、たいがい、両方が混じっています。
 コハコベと、ミドリハコベは、ほぼ、全世界に分布します。ヒトの移動にともなって、分布を広げたようです。両種は丈夫で、どこでも育ち、食用になるからでしょう。古代の人にとっては、重宝な食物だったと思われます。
 コハコベや、ミドリハコベは、家畜の餌としても、役立ちます。小学校で飼うウサギやニワトリに、「ハコベ」をやった経験のある人も、いるでしょう。
 英語で、ハコベ属の種を、chickweedといいます。直訳すれば、「ヒヨコの草」という意味です。外国でも、ニワトリの餌として、使われるのでしょう。
 ハコベ属には、コハコベや、ミドリハコベ以外の種も、属します。日本でよく見られるのは、ウシハコベと、ノミノフスマという種です。
 ウシハコベは、全体的に大きいことから、「牛」の名が付きました。ちょっと大げさな名ですね(笑)この種は、ハコベ属ではなく、ウシハコベ属に分類されることもあります。
 ノミノフスマは、漢字で書くと、「蚤の衾」です。小さな葉が、昆虫のノミ(蚤)の「ふすま」(昔の布団)に見えたようです。しゃれた名前ですね。
 春、ハコベ属の種は、花を咲かせます。どの種も、小さく、目立ちませんが、愛らしい花です。道端を彩ってくれます。そんな春が待ち遠しいですね。



図鑑には、コハコベミドリハコベウシハコベノミノフスマが掲載されています。


 過去の記事でも、春の七草を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 ハハコグサは、母子草ではない?(2008/02/15) 
 七草ナズナは、ぺんぺん草(2008/01/07)
謎の「カブラ・ライン」とは?(2007/10/29) 
 日本のダイコン(大根)は世界一(2007/01/15)



などです。

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このページは、松沢千鶴が2009年1月 5日 07:53に書いたブログ記事です。

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