便所コオロギ? いえ、カマドウマです

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 寒い季節には、昆虫を見ることは、少ないですね。でも、思わぬ場所で、昆虫に出会うこともあります。例えば、家の中です。
 台所の隅などで、妙に脚の長い「コオロギ」に会ったことが、ありませんか? その脚にふさわしく、大きく跳ねる昆虫です。よく、「便所コオロギ」と呼ばれます。
 それは、カマドウマという昆虫の仲間です。コオロギと同じく、バッタ目【もく】に属します。厳密には、コオロギとは、少し違うグループです。バッタ目の中の、カマドウマ科に属します。コオロギは、バッタ目のコオロギ上科【じょうか】に属します。
 カマドウマ科に属する種は、みな似ています。そのため、どの種もまとめてカマドウマと呼ばれることが、多いです。正式な種名は、それぞれ、マダラカマドウマ、コノシタウマ、クラズミウマなどと付いています。ややこしいことに、正式な種名を「カマドウマ」というものもいます。
 カマドウマ科の昆虫は、なぜ、人家にいるのでしょうか? たぶん、人家の中が、暖かいからでしょう。加えて、食べ物があることも、見逃せません。カマドウマの仲間は、雑食性です。ヒトが食べる物は、たいがい食べるようです。
 もともと、カマドウマ科の昆虫は、洞窟や、朽ち木の穴に棲んでいたと思われます。今でも、種によっては、そのような場所に棲みます。そういう場所では、空を飛ぶ必要がありません。安全だからですね。そのため、彼らは、翅【はね】を失いました。
 カマドウマたちから見れば、人家は、洞窟などと、似ているのかも知れませんね。食べ物が豊富な点では、洞窟などより、ずっと棲みやすいでしょう。
 少し前までは、「カマドウマがいる家は、食べ物に困らない」とか、「カマドウマは、竈【かまど】を守る神」といった伝承が、各地にありました。これらの伝承は、あながち、間違いではなさそうです。「安全で、食べ物がある場所」と感じなければ、カマドウマは、その家に棲まないでしょうから。
 「不潔だ」と追い出すよりは、共存をはかるほうが素敵な感性だと思います。

図鑑には、
マダラカマドウマが掲載されています。マダラカマドウマに近縁のコノシタウマの画像もあります。ぜひご利用ください。

 過去の記事でも、バッタ目【もく】の昆虫を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
 精霊【しょうりょう】バッタとは、どんなバッタ?(2007/08/15)
 都会派のコオロギ、アオマツムシ(青松虫)(2006/10/02)
 キリギリスは草食か肉食か?(2006/06/30)

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このページは、松沢千鶴が2009年2月 6日 07:50に書いたブログ記事です。

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