この木なんの木、ナンジャモンジャの木?

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   日本の各地に、ナンジャモンジャと呼ばれる木があります。面白い名前ですよね。これは、正式な種名なのでしょうか? 残念ながら(笑)、違います。  ナンジャモンジャと呼ばれる木には、複数の種が含まれます。地方ごとに、その地方で珍しい種の木を指して、こう呼びます。よくある種でも、特別に大きくなったり、奇怪な形になったりした木は、ナンジャモンジャと呼ばれることがあります。  ナンジャモンジャの木の中で、最も有名なのは、ヒトツバタゴという種でしょう。正式な種名が、ヒトツバタゴです。これまた、変わった名前ですね。  ヒトツバタゴのタゴとは、トネリコという木の別名です。ヒトツバタゴは、トネリコに似ているのですね。分類上も近縁です。同じモクセイ科に属します。「トネリコに似て、一つの葉柄に一枚しか葉が付かない」ことから、「一つ葉たご」となりました。  ヒトツバタゴ以外に、アキニレ、アブラチャン、イヌシデ、エゴノキ、クスノキ、ダンコウバイ、リョウメンヒノキ(ヒノキの変種)など、たくさんの種が、ナンジャモンジャと呼ばれます。これらの中で、なぜ、ヒトツバタゴが、有名になったのでしょう?  それは、「ヒトツバタゴの分布が、特異だから」と考えられます。日本国内では、愛知県、岐阜県と、長崎県の対馬市【つしまし】に分布します。中部地方の一部(木曽川の流域)と、離島の対馬にしか、自生しないわけです。ずいぶん、飛び離れた分布ですね。  これでは、多くの日本人にとって、「正体不明の木」になるでしょう。なぜ、こんな分布なのかは、わかっていません。日本では、珍しい木です。不思議なことに、ヒトツバタゴは、朝鮮半島や、中国にも分布します。大陸での詳しい分布は、不明です。  ヒトツバタゴは、珍種ですが、ある場所には、たくさんあります。例えば、対馬市の鰐浦【わにうら】地区には、三千本のヒトツバタゴが自生する、といわれます。  鰐浦では、ウミテラシという名で、ヒトツバタゴを呼びます。花の季節に、山が真っ白になって、海を照らすようだから、といいます。さぞかし、見事な光景でしょうね。こんな光景は、いつまでもあって欲しいと思います。
図鑑には、ヒトツバタゴが掲載されています。また、ナンジャモンジャと呼ばれることがあるアキニレアブラチャンイヌシデエゴノキクスノキダンコウバイヒノキも載っています。ぜひご利用下さい。
 過去の記事でも、ヒトツバタゴと同じモクセイ科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。 なんじゃもんじゃ?ブラシ?(2006/05/25) 西洋ヒイラギはクリスマスに、ヒイラギは節分に(2005/12/23) キンモクセイとギンモクセイの謎(2005/09/12) などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2009年5月29日 07:11に書いたブログ記事です。

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