シオマネキは、潮を招く?

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   外遊びに、良い気候になりましたね。海や山へ、お出かけする方もいるでしょう。今回は、海で見かける生き物を、取り上げますね。  シオマネキと呼ばれるカニがいます。カニ(蟹)の仲間で、スナガニ科シオマネキ属に属する種が、シオマネキと総称されます。砂浜や、泥の干潟に棲むカニです。  ややこしいことに、単に「シオマネキ」という種名のカニもいます。シオマネキ属の代表といえる種です。この種は、中部地方以南の海岸に、広く分布します。  シオマネキを、漢字で書けば「潮招き」です。なぜ、こんな名が付いたのでしょうか?  シオマネキ属のカニが、潮を招くような動作をするからです。この動作は、雄(オス)だけが行ないます。「おいでおいで」をするように、片方のはさみを振ります。  シオマネキ属の雄は、片方のはさみだけが、異常に大きくなります。大きいほうのはさみを、振ります。これは、雄が、雌(メス)に求愛する動作です。  招くのは、潮ではなくて、雌なのですね。雌のはさみは、両方とも普通の大きさです。このような特徴があるため、シオマネキ属は、雄と雌との区別が簡単です。  雄のはさみは、右と左と、どちらが大きくなるのでしょうか? これは、決まっていないようです。同じ種の中でも、右のものと左のものとがいます。  じつは、シオマネキ属の雄にとって、大きなはさみは、厄介【やっかい】ものです。大き過ぎて、器用に使えないからです。普段、餌を食べる時などは、小さいほうのはさみだけを使います。大きなはさみは、雌にアピールするためだけに、発達しています。  これは、クジャクの雄の飾り羽根などと、同じですね。雌への求愛のため、普通なら邪魔なものを、発達させました。それだけ、求愛とは、大事なことなのでしょう。  シオマネキ属の中に、ハクセンシオマネキ(白扇潮招き)という種がいます。「白い扇で潮を招く」という意味です。白いはさみを振る様子を、扇に見立てたわけです。  ちょっと長いですが、優雅な名前ですよね。生物の特徴も、ちゃんと表わしています。これが正式な種名なんて、素敵です。こんな種名が増えたらいいのに、と思います。
図鑑には、シオマネキ属のシオマネキハクセンシオマネキが掲載されています。ぜひご利用下さい。
 過去の記事でも、カニの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。 タカアシガニは、世界最大のカニ?(2009/01/30) 目高蟹【めだかがに】とは、ツノメガニ?(2008/7/7) バトル【ハクセンシオマネキ】(2007/06/03) 夫婦なのに名が違う?ズワイガニとコウバコガニ(2005/11/11) などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2009年6月 1日 07:17に書いたブログ記事です。

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