勘違いで名が付いた? ブッポウソウ

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 生き物には、鳴き声から、名前が付けられることがありますね。「カッコウ」や「ツクツクホウシ」などです。「ブッポウソウ」も、その一種です。  と書くと、「それは違うのでは?」という方が、きっといるでしょう。  正式な日本語名を「ブッポウソウ」という鳥は、確かにいます。けれども、その鳥は、「ブッポウソウ」とは、鳴きません。別の鳥の鳴き声が、この鳥のものだと、勘違いされたのですね。実際に「ブッポウソウ」と鳴くのは、コノハズクという鳥です。  なぜ、こんな間違いが起こったのかは、不明です。ブッポウソウと、コノハズクとは、まるで似ていません。分類上も、遠縁です。ブッポウソウは、ブッポウソウ目【もく】ブッポウソウ科に属します。コノハズクは、フクロウ目【もく】フクロウ科です。  コノハズクと区別するため、正式な種名ブッポウソウは、「姿のブッポウソウ」と呼ばれます。コノハズクは、「声のブッポウソウ」です。  姿のブッポウソウは、日本では、夏鳥です。春、日本に来て、夏に繁殖します。秋になると、飛び去ってしまいます。行き先は、東南アジアなどの、南の国です。  姿のブッポウソウは、美しい鳥です。羽毛の色は、瑠璃色【るりいろ】がかった濃い青です。嘴【くちばし】と脚が、赤いです。南方系の鳥、という感じがします。  見た目どおり、ブッポウソウ科の種は、みな南方系です。暖かいところが好きなのですね。同じ科では、ブッポウソウと、ニシブッポウソウだけが、温帯で繁殖するようです。ニシブッポウソウは、ヨーロッパなどで繁殖します。日本には分布しません。  他のブッポウソウ科の鳥たちは、アフリカや、インドなどで繁殖します。日本のブッポウソウと、ヨーロッパなどのニシブッポウソウは、開拓者ですね。ブッポウソウ科にしては、寒い地域に進出しています。その点で、この二種は、貴重な種といえます。  残念ながら、日本のブッポウソウは、数が減っています。しかし、巣箱をかけることで、数が増えたという報告があります。こんな報告が、増えるといいですね。
図鑑には、「姿のブッポウソウ」のブッポウソウも「声のブッポウソウ」コノハズクも掲載されています。ぜひご利用下さい。
 過去の記事でも、日本の夏鳥を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。 憧れの鳥か? 妖怪か? アカショウビン(2008/10/06) アマツバメは世界最速の鳥?(2007/10/15) オオルリは瑠璃色【るりいろ】じゃない?(2007/8/3)などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2009年6月29日 07:09に書いたブログ記事です。

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