イソガニとイワガニ、どっちがどっち?

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 生き物の中には、紛らわしい名前のものがいますね。例えば、カニの仲間に、イソガニ(磯蟹)という種とイワガニ(岩蟹)という種がいます。
 この二種は、棲む場所もほぼ同じです。どちらも、岩の多い海岸に棲みます。岩礁や磯などと呼ばれる場所ですね。水中から出て歩くことがあるのも、同じです。両種とも、日本では平凡な種です。カニの中では、海水浴で会う可能性が高いです。
 おまけに、この二種は、姿も似ています。どちらも、普通のカニらしい姿です。大きさは、両種とも、甲長(甲羅の幅)3cm~5cmくらいです。体色は、どちらの種も、緑がかった褐色です。イソガニのほうが、明るい色合いのことが、多いです。
 イソガニとイワガニは、近縁なのでしょうか? 生物の世界では、外見がそっくりでも、遠縁のものがよくいますね。
 この二種は実際に近縁です。両種とも、イワガニ科に属します。イソガニは、イワガニ科の中のイソガニ属に、イワガニは、イワガニ科のイワガニ属に属します。
 こんなに似たところだらけでは、区別ができませんね。普通の人が区別するには、図鑑と首っぴきになる必要があるでしょう。
 この二種には、一つ決定的な差があります。外見のことではありません。分布のことです。じつは、イワガニのほうは、後から日本に来ました。外来種です。
 日本のイワガニの故郷は、北米と考えられています。今では、イワガニは、日本中の磯で見られます。日本在来種のイソガニと、仲良く?やっているようです。
 面白いことに、北米では、イソガニとイワガニの立場が逆転しています。もともと、イワガニがいたところへ日本から、イソガニが入りました。今のところは、北米の海岸でも、あまり問題なく、共存しているようです。
 日本のイワガニも北米のイソガニもたくましいですね。ここまで広まってしまうと、外来種として駆除するのは、無理だと思います。駆除を考えるより、彼らの生態を観察するほうが有意義でしょう。夏休みの自由研究にも、ちょうどいいですね。


図鑑には、イソガニ
イワガニが掲載されています。ぜひご利用下さい。


過去の記事でも、カニの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シオマネキは、潮を招く?(2009/06/01)
スベスベマンジュウガニの名の由来は?(2008/8/18)
毛蟹【けがに】は、なぜ毛だらけ?(2007/11/30)
夫婦なのに名が違う?ズワイガニとコウバコガニ(2005/11/11)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2009年8月21日 07:39に書いたブログ記事です。

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