以前、このブログで、生物の分類について、説明しましたね(生物分類の、目【もく】や科とは、なに?(09/08/12))。今回は、その時、説明しきれなかった部分を説明しましょう。
生物を調べていると、時おり、亜目【あもく】や亜科【あか】といった分類単位が出てきます。下目【かもく】、上目【じょうもく】、上科【じょうか】などが、出てくることもあります。これらは、どういう分類単位でしょうか?
まず、「亜」を説明しましょう。例えば、亜目といった場合、「目【もく】を分けるほどの差はないけれど、複数の科を含むグループ」です。要するに、「一つ下の分類単位より、少しだけ大きい分類単位」に、「亜」が付くと思って下さい。
次に、「下」です。例えば、「下目」は、「目【もく】を分けるほどの差はないけれど、複数の科を含んでいて、亜目より小さいグループ」です。大きさ順に並べれば、亜目>下目です。「亜」と「下」は、紛らわしいですね。正直に言えば、私も、「亜」と「下」の差は、よくわかりません(笑)
では、「上」は? 例えば「上科」といった場合は、「複数の科をまとめたグループで、目【もく】を分けるほどの差がないもの」です。
これだと、一つ上の分類単位と、重なりそうですね。例えば、「上科」と「下目」があったら、どちらが大きいグループでしょうか?
答えは、「下目のほうが、上科より大きい」です。実例を挙げてみましょう。
セミエビというエビの一種がいます。この種の分類を、詳しく書くとこうなります。
節足動物門【せっそくどうぶつもん】
甲殻亜門【こうかくあもん】
軟甲綱【なんこうこう】
真軟甲亜綱【しんなんこうあこう】
ホンエビ上目【じょうもく】
十脚目【じっきゃくもく】
抱卵亜目【ほうらんあもく】
イセエビ下目【かもく】
イセエビ上科【じょうか】
セミエビ科
セミエビ亜科【あか】
セミエビ属
セミエビ
こんなややこしい分類なのは、節足動物門に、たいへん多様な種が含まれるためです。落語の『寿限無【じゅげむ】』みたいですね(笑)
図鑑には、例に挙げたセミエビが掲載されています。是非、ご利用下さい。
過去の記事でも、生物の分類について、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
学名で分類がわかるって、本当?(20009/08/17)
チョウ(蝶)はチョウ目【もく】? 鱗翅目【りんしもく】?(2008/07/22)
ホヤは脊索【せきさく】動物? 原索【げんさく】動物?(2007/08/28)
などです。