新種が続々、アザミ

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 夏から秋にかけては、アザミ(薊)の花の季節ですね。ほとんどのアザミの仲間は、この時期に花を咲かせます。(ノアザミなど、一部の種を除きます)
 アザミとは、キク科アザミ属に属する種をまとめて呼ぶ名です。正式な日本語名として、単に「アザミ」という種はありません。アズマヤマアザミ、フジアザミ、ナンブアザミ、ノハラアザミなど「○○アザミ」という種名になります。
 アザミ属には、たくさんの種が属します。日本だけでも、百種以上が分布します。
 なぜ、アザミ属には、こんなに多くの種があるのでしょうか? どうやら、地域ごとに隔離されると、すぐに新しい種が生まれるようです。今、まさに分化が進んでいるグループなのでしょう。そのためか、限られた地域にしか分布しない種が、多いです。
 例えば、ニッポウアザミという種があります。この種は、日本の大分県と宮崎県でしか、分布が確認されていません。大分県と宮崎県にまたがる日豊海岸【にっぽうかいがん】で、最初に発見されました。だから、日豊薊【にっぽうあざみ】です。
 ニッポウアザミは、他のアザミと同じく、美しい花を咲かせます。山奥ではなく、人里に生える種です。なのに、二〇〇四年に発見されたばかりです。こんなに目立つ種が、こんなに最近まで未発見とは、驚きますね。
 似た例は、他にもあります。二〇〇六年には、宮崎県で、ヒュウガアザミ(日向薊)という新種が、発見されました。このようなことが起こるのは、アザミ属の種が、互いに似ているからです。種の区別を、付けにくいのですね。
 二〇〇九年の二月にも、新種のアザミが、二種、確認されました。キリシマアザミ(霧島薊)と、シライワアザミ(白岩薊)です。どちらも、宮崎県に分布します。
 ヒュウガアザミと、キリシマアザミは、それまで、ツクシアザミという一つの種とされていました。新発見により、ツクシアザミという種の範囲は、だいぶ狭まりそうです。
 こうなると、「身近に、新種のアザミがあるかも?」と思いますよね。道端のアザミを、地道に観察して、記録を取っておけば新発見につながるかも知れません。

図鑑には、残念ながら、ガムシは載っていません。アズマヤマアザミナンブアザミノアザミノハラアザミフジアザミやまた、アザミ属と紛らわしいキツネアザミタムラソウが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、アザミの仲間と近縁なキク科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
田で平たくなるから、タビラコ(田平子)?(2009/01/16)
ハハコグサは、母子草ではない?(2008/2/15)
九月九日は菊の節句(2006/09/09)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2009年9月11日 07:18に書いたブログ記事です。

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