鳥の巣? いえ、カヤネズミの巣です

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 草むらで、鳥の巣らしきものを、見つけたことがありませんか?
 それは、河川敷のヨシ原や、ススキの原にあるかも知れません。草の茎の途中に、小さな球形の巣が付いていることがあります。草を編んで作られています。
 これは、鳥の巣でしょうか? そういう場合もあります。けれども、鳥ではないこともあります。ネズミの一種も、このような巣を作るのです。カヤネズミという種です。
 カヤネズミは、日本最小のネズミといわれます。尾の長さまで入れても、全長は10cm未満です。体重は、15gもありません。世界でも、最小級のネズミです。
 ちなみに、カヤネズミは、日本最小の哺乳類ではありません。コウモリの仲間に、もっと小さいものがいます。日本最小の哺乳類は、クロホオヒゲコウモリでは、といわれます。
 生き物にとって、体が小さいことには、意味があります。体が小さければ、棲める場所が広がります。食べ物も、少なくて済みますね。
 例えば、カヤネズミは、細い草の茎にも、するすると登れます。草の茎に、小さな巣を作りつけることもできます。こういった技がなければ、草むらには棲めませんね。
 カヤネズミは、人家に入ってきません。ヒトには、害を与えないネズミです。
 カヤネズミの存在は、昔から知られていました。彼らが棲むような草原は、昔は、大事なところだったからです。昔の日本人は、かや(ススキやチガヤなど、イネ科の草の総称)を、さまざまに利用しました。かやの供給源として、草原を維持・管理していました。
 しかし、現在の日本では、かやを利用することなど、ほとんどありませんね。かつて維持・管理された草原は、どんどん姿を消しました。このため、カヤネズミのすみかは、ひどく減りました。絶滅してしまった地域もあります。
 カヤネズミの生態には、謎が多いです。小さすぎるために、観察が大変なのですね。でも、前記のように、小さいことには、利点もあります。狭い草原でも、カヤネズミが棲んでいるかも知れません。河川敷のかやの原などは、可能性が高いです。
 かやの原を見つけたら、カヤネズミの巣をそっと、探してみる価値がありそうです。
図鑑には、カヤネズミが掲載されています。また、カヤネズミより小さいフィリピンで、ネズミの新種を発見(2009/02/26)
再発見! オキナワトゲネズミ(2008/03/07)
水辺の巨大な鼠【ねずみ】の正体は?(2008/01/19)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2009年10月 2日 07:47に書いたブログ記事です。

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