植物の世界は、「虎の尾」だらけ?

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 トラノオという植物の名を、聞いたことがありませんか? 漢字で書けば「虎の尾」です。オカトラノオ、カクトラノオ、ルリトラノオなどの種があります。
 これらの種は、花の形が似ています。細かい花が集まって、穂になります。穂先が垂れるものが多いです。この様子を「虎の尾」に見立てたのですね。
 ところが、これらのトラノオは近縁とは限りません。遠縁のものと、近縁のものとが混ざります。トラノオと呼ばれる植物のうち主なものの分類を紹介しましょう。
 日本の野山でよく見るのは、オカトラノオ属の植物です。白い花が集まって「虎の尾」のように垂れて咲きます。ヤブコウジ科、またはサクラソウ科に属するグループです。オカトラノオ、ノジトラノオ、ヌマトラノオなどの種がこのグループです。
 花屋でよく見るのは、カクトラノオです。別名ハナトラノオともいいます。ピンクの花が穂になります。穂先が垂れないので、あまり「虎の尾」らしくありません。原産地は北米です。シソ科カクトラノオ属に属します。日本の一部で、野生化しています。
 日本の山地に多いのは、ルリトラノオ属の植物です。名のとおり、青紫の花が穂に咲きます。ゴマノハグサ科に属します。この属には、ルリトラノオ、ヒメトラノオ、ヒロハトラノオなどが属します。これらの種には、変種が多く、分類が難しいグループです。
 イブキトラノオという種もあります。これも、日本の山地に生えます。白い花が、穂になります。穂先は垂れません。虎の尾というより、猫の尾です。タデ科タデ属に属します。ルリトラノオ属の一変種、イブキルリトラノオとは、まったく別の種です。
 花ではなく、葉を「虎の尾」に見立てたものもあります。トラノオシダです。シダの一種ですから花は咲きません。チャセンシダ科チャセンシダ属に属します。
 熱帯の植物にも、トラノオがあります。代表的なのはキントラノオでしょう。
 キントラノオは日本には自生しません。メキシコ原産です。日本では、温室でなければ育ちません。キントラノオ科キントラノオ属に属します。黄色い花が咲きます。
 こんなにトラノオだらけでは区別が付きませんね。分類には慎重さが必要です。


図鑑には、トラノオ(虎の尾)と呼ばれる植物のうち、オカトラノオトラノオシダが掲載されています。ぜひご利用下さい。

 過去の記事でも、名前が紛らわしい植物を、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ニンジン(人参)がいっぱい?(2009/08/31)
この木なんの木、ナンジャモンジャの木?(2009/05/29)
鼈甲【べっこう】になるだけじゃない、タイマイ(2008/06/20)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2009年11月16日 07:12に書いたブログ記事です。

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