/
ヒヨドリ 画像
和名:ヒヨドリ
学名:Hypsipetes amaurotis
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京都 文京区【2010.02.25】
図鑑には、ヒヨドリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
2010年2月アーカイブ
/
オオイヌノフグリ 画像
和名:オオイヌノフグリ
学名:学名:Veronica persica Poir.
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京都 文京区【2010.02.25】
図鑑には、オオイヌノフグリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
/
日本の早春の味覚に、「たらの芽」がありますね。代表的な山菜です。スーパーにも並びます。売っているものは、栽培品が多いです。
「たらの芽」は、タラノキの芽だといわれます。これは、間違いではありません。タラノキという種名の樹木は、確かにあります。日本の山に自生します。
中には、タラノキの芽ではない「たらの芽」があります。例えば、ハリギリの芽です。
ハリギリは、タラノキに近縁な樹木です。やはり、日本の山に自生します。
ハリギリもタラノキも同じウコギ科に属します。ただし、属は違います。タラノキは、ウコギ科の中のタラノキ属です。ハリギリは、ウコギ科のハリギリ属です。
ハリギリの芽も食べられます。ですから、ハリギリの芽を山菜として売るのは、悪くありません。ただ、ハリギリを「たらの芽」として売るのは、誤解を招きますね。
タラノキの芽(本来の「たらの芽」)とハリギリの芽とを比べると、ハリギリのほうが、あくが強いといわれます。このため、ハリギリを食べない地方もあります。
これは、好みの問題でしょう。「えぐみが強いほうが、山菜らしくていい」という方もいるはずです。ハリギリとタラノキには、それぞれの良さがあります。売るならそれを生かした売り方を考えて欲しいなと思います。
タラノキとハリギリには、同じように棘があります。しかし、葉の形などは、似ていません。ハリギリの葉は、キリ(桐)に似ます。「針のあるキリ」ということで、ハリギリ(針桐)と名づけられました。
キリとハリギリとは、遠縁です。キリは、キリ科に属します(異説もあります)。タラノキやらキリやら、他種と混同されてばかりでハリギリが気の毒ですね。
有毒植物でなければ、たいていの植物の芽は食べられるそうです。私は、ブドウの芽の天ぷらを食べたことがあります。ブドウの果実と共通する香りがあって、美味しいものでした。もともと食用にする植物の芽なら安心して食べられますね。
春は、若芽の季節です。味覚でも、春を感じたいですね。
図鑑には、タラノキ,ハリギリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、山菜にする植物を取り上げています。また、ハリギリと紛らわしいキリ(桐)も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
桐一葉、落ちて天下の秋を知る?(2009/09/21)
桐【きり】の名前で、きりきり舞い?(2009/05/08)
とろろの材料になるのは、ヤマイモ? ヤマノイモ?(2008/11/07)
などです。
バン 画像
和名:バン
学名:Gallinula chloropus
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄県 豊見城【2009.12.19】
図鑑には、バンが掲載されています。ぜひご利用下さい。
アマサギ(嘴黄色の個体、冬羽) 画像
和名:アマサギ
学名:Bubulcus ibis
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、アマサギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
メジロ 画像
和名:メジロ
学名:Zosterops japonicus
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、メジロが掲載されています。ぜひご利用下さい。
今回は、ちょっと危険な生き物の話をしましょう。海で刺す生き物です。
海で刺すものといえばクラゲが思い浮かびますね。クラゲは、刺胞動物【しほうどうぶつ】というグループに属します。同じグループに、イソギンチャクも属します。
イソギンチャクが刺すなんて聞いたことがない人が多いでしょう。すべてのイソギンチャクが刺すわけではありません。海水浴で、よく会う種―ウメボシイソギンチャク、ミドリイソギンチャクなど―は、刺しません。安心して下さい。
けれども中には、刺すイソギンチャクがいます。そういったイソギンチャクは、熱帯の海に多いです。また、ダイビングでなければ行けない程度の深さにいることが多いです。熱帯の海に行く方やダイビングをやる方は、注意が必要です。
日本近海に、普通に分布する種としては、スナイソギンチャクがいます。この種は、以前、このブログで取り上げましたね(どっちがどっち? スナイソギンチャクと、スナギンチャク(2009/10/5))。スナイソギンチャクは、ヒトを刺します。
以前に書いたとおり、スナイソギンチャクは、とても美しいです。でも、触らないようにしましょう。観賞用には、良い生き物です。
ダイバーの方は、カザリイソギンチャクに注意しましょう。この種は、おおむね、水深20m以上のところに棲みます。ですから、海水浴で会うおそれは、まず、ありません。
カザリイソギンチャクは、昼と夜とで、まったく違う姿になります。昼は、触手を縮めています。イソギンチャクに見えません。全体が、房状のもので覆われています。この房状のものが、ヒトを刺します。素手で触ってはいけません。
夜のカザリイソギンチャクは、触手を伸ばします。触手だけでなく、体全体も、伸び上がるように大きくなります。イソギンチャクらしい姿です。房状のものは、目立たなくなります。しかし、刺すことに変わりはありません。触らず、見るだけにしましょう。
夜のカザリイソギンチャクの姿は、神秘的です。英語名に、night anemone(夜のアネモネ)とあるのに納得します。ナイトダイビングをやる方には楽しみとなるでしょう。
図鑑には、カザリイソギンチャク,スナイソギンチャク,ミドリイソギンチャクが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、イソギンチャクの仲間や、刺す海の生物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
管の中の花? ハナギンチャク(2009/04/27)
イソギンチャクは逆さのクラゲ?(2008/04/21)
海藻【かいそう】? いいえ、イラモはクラゲです(2007/07/16)
などです。
タシギ 画像
和名:タシギ
学名:Gallinago gallinago
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、タシギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
コチドリ 画像
和名:コチドリ
学名:Charadrius dubius
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、コチドリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
探梅【たんばい】という言葉を御存知でしょうか? 観梅【かんばい】と似て違う言葉です。冬のまだ寒い時期にウメの花を探しながら歩くことです。
ウメの花盛りに見るのは探梅とは言えません。それは観梅です。
探梅という言葉には春を待ち望む気持ちがよく表われていますね。ウメの花は、日本の早春を象徴するものです。それを探すのは、春を探すのと同義でしょう。江戸時代の俳句『梅一輪 一輪ほどのあたたかさ』が描く境地です。
こんなに好まれているのにウメは、日本原産ではありません。中国原産です。歴史時代の早いうちに、日本に入ったと考えられています。
奈良時代以前は木の花【このはな】といえば、ウメの花を指しました。当時の日本人、少なくとも知識階級の日本人は、サクラよりウメを好んだようです。
その理由は当時のウメが、外国から来て間もない植物だったからです。外国の進んだ文化を表わす花でした。日本人の外来文化好きは、この頃からあったのですね(笑)
似た例として、桃(モモ)があります。奈良時代以前の日本では、ウメの花とモモの花とが並び称されました。モモも中国原産の植物です。
モモといえば、古事記の日本神話に登場するのが有名です。モモの果実を投げつけることによって、黄泉醜女【よもつしこめ】という魔物が追い払われました。モモを魔除けとするのは、中国の思想を受け継いだといわれます。
ウメは、日本神話に登場しないのでしょうか? それらしき名が、古事記と日本書紀にあります。木花開耶姫【このはなさくやひめ】(漢字表記は他にもあり)です。
一般的には、木花開耶姫は、サクラ(桜)の花の女神さまとされていますね。けれども、古事記や日本書紀ができた頃、「木の花」とは、ウメの花を指したはずです。
木花開耶姫は、最初は、ウメの花の女神さまだったのではないでしょうか。平安時代以降、サクラのほうが好まれるようになってから、サクラの女神さまになったのではないかと思います。神さまも、時代に合わせて変わるのでしょう。
図鑑には、ウメが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事で、ウメと同じく、古事記などに登場する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カワセミと翡翠【ひすい】との関係は?(2009/08/05)
「かげろう」の正体は、イトトンボ?(2008/10/03)
食用ナマコはどんなナマコか?(2007/01/22)
花も実もある魔除けの木、モモ(2006/03/03)
などです。
ハシビロガモ 画像
和名:ハシビロガモ
学名:Anas clypeata
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、ハシビロガモが掲載されています。ぜひご利用下さい。
コガモ 画像
和名:コガモ
学名:Anas crecca
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、コガモが掲載されています。ぜひご利用下さい。
冬は、生き物を見ることが少ないですね。特に、昆虫は死に絶えてしまったかのようです。セミもトンボもカブトムシも目にしませんね。
ところが、いるところにはいるものです。例えば、水の中です。
日本の淡水中には、たくさんの水生昆虫が棲みます。ゲンゴロウやタガメが有名ですね。他に、トンボの幼虫(ヤゴ)やカゲロウの幼虫もいます。
幼虫に限っていえば、真冬でもトンボやカゲロウが見られます。水中は、陸上より温度が安定しているからです。トンボやカゲロウは、幼虫の姿で冬を越します。
カゲロウといえばはかなさを象徴する虫ですね。「真冬の水中で生きている」というと、意外に感じるでしょう。カゲロウの成虫は、確かに数日の命です。けれども、幼虫は数ヶ月にわたって生きます。
種によっては、早春の三月ごろ成虫になるカゲロウもいます。ナミヒラタカゲロウ、マエグロヒメフタオカゲロウなどです。タニヒラタカゲロウやキョウトヒメフタオカゲロウなどは二月のうちから羽化【うか】(成虫になること)が見られます。
ややこしいことに、「○○カゲロウ」という種名の昆虫の中に、カゲロウの仲間でないものがいます。ウスバカゲロウ、クサカゲロウなどは、カゲロウ目【もく】の昆虫ではありません。普通にはカゲロウと言えば、カゲロウ目に属する昆虫を指します。
ウスバカゲロウやクサカゲロウはどこに属するのでしょうか? 彼らは、脈翅目【みゃくしもく】に属します。脈翅目は、アミメカゲロウ目【もく】ともいいます。
ウスバカゲロウとは、脈翅目のウスバカゲロウ科に属する種の総称です。クサカゲロウは、脈翅目のクサカゲロウ科に属する種の総称です。ただし、ウスバカゲロウとクサカゲロウの分類には異説もあります。異説でもカゲロウ目とは遠縁です。
カゲロウ目のカゲロウは、すべて幼虫が水中に棲みます。お近くに水のきれいな渓流があれば、早春に羽化するカゲロウが見られるかも知れません。まだ寒い中では、とても弱々しく見えます。彼らにしてみれば、懸命に命の火を燃やしているのでしょう。
図鑑には、脈翅目【みゃくしもく】のウスバカゲロウ,クサカゲロウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、カゲロウや、早春に出る昆虫を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
春のチョウ(蝶)? いえ、ガ(蛾)です(2009/03/09)
「かげろう」の正体は、イトトンボ?(2008/10/03)
はかないようでしぶとい? カゲロウ(2006/09/04)
などです。
/
アオサギ 画像
和名:アオサギ
学名:Ardea cinerea
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 【2010.2.5】
図鑑には、アオサギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
ハクセキレイ 画像
和名:ハクセキレイ
学名:Motacilla alba
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 【2010.2.5】
図鑑には、ハクセキレイが掲載されています。ぜひご利用下さい。
春が恋しい季節ですね。早いところでは、ふきのとうが出ているでしょうか。
ふきのとうは、フキの花です。普通は、花が開く前つぼみの状態のものを食べます。花らしくない姿のため、食用花といわれてもぴんと来ませんね。
フキの花には、花びらがありません。このため、開いた姿も地味です。花の姿からは想像しにくいですが、フキはキク科に属します。あの美しいキク(菊)の仲間です。
フキは、ふきのとう以外の部分も食べますね。茎(葉柄)の部分を食べることは、有名です。葉も佃煮などにして食べられます。
大きなフキの葉は、食べる以外にも利用できそうですね。実際、アイヌの人たちは、フキの葉をいろいろに利用したそうです。山の中などで、食器がない時はフキの葉でお椀【わん】を作りました。鍋や釜にもなったといいます。
フキの葉を何枚かつづり合わせれば、レインコートになりました。急に雨にあった時、便利ですね。狩りの途中などで、野宿する時にはフキの葉で屋根を葺【ふ】いて小屋を作ったそうです。衣食住、すべてに使える草ですね。
アイヌの人たちばかりでなく、昔の日本人も同じようにフキを利用していたのではないでしょうか。ただ、伝承があまり残っていないだけではないかと思います。昔、山里で暮らしていた人々にとっては便利に使えそうなものです。
フキの利用法で面白いと思ったのは、「食べ物を発酵させるのに使う」ことです。これも、アイヌの人たちの利用法です。
アイヌの人たちにとって、オオウバユリという植物の根は大切な食料でした。この根から、でんぷんを取った後のかすを、フキの葉何重にも包みます。すると、虫がつかず、発酵がうまく進んだといいます。
フキの葉には、虫を避ける効果や発酵を進める効果があるのかも知れません。フキの近縁種には、ハーブとして使われるものがあります。昔の知恵を見直してみると、現在の私たちにも役立つことがありそうです。
図鑑には、フキが掲載されています。。
また、ウバユリ(オオウバユリは、ウバユリの変種)も載っています。ぜひご利用下さい
過去の記事でも、食用になる野草を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
田で平たくなるから、タビラコ(田平子)?(2009/01/16)
ハコベという植物は、ない?(2009/01/05)
ハハコグサは、母子草ではない?(2008/02/15)
三月三日は草餅【くさもち】の節句?(2007/03/02)
などです。
オオバン 画像
和名:オオバン
学名:Fulica atra
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、オオバンが掲載されています。ぜひご利用下さい。
クロツラヘラサギ 画像
和名:クロツラヘラサギ
学名:Platalea minor
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 豊見城【2010.02.05】
図鑑には、クロツラヘラサギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
天然記念物という言葉を聞いたことがおありでしょう。貴重な動物や植物、鉱物が指定されます。有名なものには、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナなどがいます。
天然記念物に指定されると捕獲・採集などが禁止されます。保護されるわけですね。
ここで、不思議に思った人はいませんか? 保護されているのなら、なぜ、ツシマヤマネコやヤンバルクイナは「絶滅しそうだ」と騒がれるのでしょうか?
じつは、日本の「天然記念物」という制度には不備が多いのです。できた時代が、古いためです。もちろん、良いところもありますが。
天然記念物には、国が指定するものと地方自治体が指定するものとがあります。ここでは、国が指定するものについて説明します。
天然記念物は「文化財保護法」という法律に基づく制度です。法律の名に、注目して下さい。「文化財」です。「生き物」や「動植物」ではありません。
「文化財」とは、人間が手を入れたものですね。そもそも、この法律は「人間が手を入れたものを保護する」のが目的です。自然の生き物を保護する目的にはそぐいません。
この法律ができたのは、一九五〇年です。この法律の前身となる法律が、一九一九年にできています。じつに、大正九年のことです。この頃の古い考えを法律は引きずっています。現在の考えでは「天然」とは言いがたいものが、天然記念物に含まれます。
例えば、「日本犬」が天然記念物に指定されています。普通にいる柴犬も天然記念物です。捕獲禁止のはずの天然記念物が、飼われているなんてびっくりですね。
昔は、家畜であろうと野生動物であろうと「生き物」は、一くくりにされたのでしょう。家畜は家畜で、保護するべきだと思います。けれども、野生動物と家畜とを同じ基準で保護するのは無理がありますね。今のままの法律では不自由です。
法律を変えるのは、大変なことです。国民の同意がなければ、変えてはいけないものでしょう。でも、良い方向へ変えるなら、国民の同意が得られるのではないでしょうか。
図鑑には、ツシマヤマネコ、ヤンバルクイナなどたくさんの天然記念物が掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事で、天然記念物に指定された生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カメの腹筋? セマルハコガメ(2009/09/28)
貝に卵を産む? 不思議な魚たち(2007/03/30)※国指定の天然記念物のミヤコタナゴを取り上げています。
ヤンバルクイナは絶滅寸前?(2006/10/2)
天然記念物というものはどういうものですか?(2006/03/28)
などです。
フクジュソウ 画像
和名:フクジュソウ
学名:Adonis ramosa Franch.
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京都 新宿区【2010.01.20】
図鑑には、フクジュソウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
ムクドリ 画像
和名:ムクドリ
学名:Sturnus cineraceus
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京都 新宿区【2010.01.20】
図鑑には、ムクドリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
日本は、八百万【やおよろず】の神々がいる国ですね。昔の日本人は、ありとあらゆるものに神が宿ると考えたようです。動植物が神とされることも多くありました。
瀬戸内海のある地方では、アビという鳥の仲間が神とみなされたことがありました。正確には、アビ科に属するシロエリオオハムという鳥です。
アビ科の種はみな水鳥です。カモのように水に浮いて泳ぎます。けれども、アビとカモとは近縁ではありません。カモはカモ科に属します。
日本で見られるアビ科の種は、アビ、シロエリオオハム、オオハムなどです。日本の多くの地方では冬鳥です。春から夏は、シベリアなどの北方にいます。
シロエリオオハムが、日本で神とされたのは魚がいる場所を教えてくれたからです。彼らは、魚のいる海域に集まるのですね。魚食性だからです。漁師さんたちは、彼らの群れを目印に漁をしました。シロエリオオハムは、阿比神【あびがみ】と呼ばれたそうです。
阿比神が教えてくれたのは、もっぱらイカナゴという魚でした。細長い魚です。成魚になると、全長が25cmくらいになります。幼魚のうちに、漁獲することも多いです。インナゴ、コウナゴ、カマスゴなどの方言名で知られています。
イカナゴの漁は現在も続いています。しかし、アビ漁(シロエリオオハムの群れを目印にする漁)は、絶えてしまいました。日本に来るシロエリオオハムの数が減ったからです。もはや、魚に群れるほどのシロエリオオハムは瀬戸内海では見られません。
彼らが減った原因は、主に環境破壊と考えられています。まず、彼らが食べるイカナゴが減りました。海底の砂を取りすぎたことが、イカナゴが減った原因だろうといわれます。イカナゴは、砂がない海には棲めません。砂にもぐって休眠するからです。
アビ漁が行なわれた頃の瀬戸内海では、自然保護のお手本が見られました。神とまで呼ぶ鳥を、大切にしない人などいるはずがありません。豊かな海で、イカナゴを分け合うのは、鳥にとっても人にとっても、幸せなことだったろうと思います。
自然環境の破壊は、文化まで破壊するのですね。悲しい実例です。
図鑑には、アビが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、海に棲む鳥を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
都鳥【みやこどり】の正体は、ユリカモメ?(2009/01/23)
オオワシとオジロワシには、流氷が似合う(2008/02/08)
カモメは冬にしかいない?(2006/10/23)
などです。
スイセン 画像
和名:スイセン
学名:Narcissus tazetta L.
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京都 新宿区【2010.01.20】
図鑑には、スイセンが掲載されています。ぜひご利用下さい。
ウメ、咲き始めました。ウメ 画像
和名:ウメ
学名:Armeniaca mume Siebold
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京都 港区【2010.02.02】
図鑑には、ウメが掲載されています。ぜひご利用下さい。
ハクセキレイ 画像
和名:ハクセキレイ
学名:Motacilla alba
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
東京都 新宿区【2010.01.20】
図鑑には、ハクセキレイが掲載されています。ぜひご利用下さい。
スジエビという種名のエビがいます。日本の淡水域で、普通に見られます。透明の体に、筋【すじ】模様があるから、スジエビです。5cmくらいの、かわいいエビです。
スジエビには、たくさんの別名があります。カワエビ、モエビ、コエビなどです。スジエビという名を知らなくても、これらの名で知っている方も、いるでしょう。
別名が多いのは、人に親しまれている証拠です。スジエビは、食用や、釣り餌用に捕られます。小さいので、まとめて佃煮などにされることが、多いです。
日本の淡水域には、スジエビと似た小型のエビが、他にもいます。ヌマエビ、ヌカエビ、ミゾレヌマエビ、ヤマトヌマエビなどです。これらの種は、ヌマエビ科に属します。けれども、スジエビは、ヌマエビ科ではありません。テナガエビ科です。
ヌマエビ科には、スジエビのような筋模様の種は、いません。とはいえ、水中でぱっと見ただけでは、区別は難しいでしょう。
スジエビには、他にも、そっくりさんがいます。スジエビと同じく、透明な体に、筋模様があるエビたちです。イソスジエビ、スジエビモドキなどの種です。
「イソ」スジエビは、名のとおり、磯に棲みます。スジエビモドキも、海に棲む種です。生息場所が違うので、スジエビとは区別できます。イソスジエビのほうが、スジエビモドキより、筋模様の数が多いです。
棲む場所が違っても、スジエビと、イソスジエビ、スジエビモドキは、互いに近縁です。三種とも、テナガエビ科スジエビ属に属します。
スジエビ属は、ラテン語の学名をPalaemonといいます。これは、ギリシャ神話の海の神、パライモーンの名にちなみます。パライモーンは、元は人間でした。
ギリシャ神話の海神といえば、ポセイドーンが有名ですね。パライモーンは、最初から神だったポセイドーンより、人に近しい存在でした。古代の水夫に人気だったようです。
イソスジエビなどのスジエビ属は、沿岸の海で、人に親しまれています。海神の中でも、パライモーンの名が付けられたのは、そのためではないでしょうか。
図鑑には、スジエビ、イソスジエビが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、エビの仲間を取り上げています。また、ギリシャ神話の海の神の名を持つ生き物も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
平たい体は何のため? ウチワエビ(2008/12/19)
おせち料理の海老【えび】はクルマエビ?(2007/01/11)
海中のサンタクロースはエビ?(2006/12/10)
などです。