影が薄い? ジョウカイモドキ

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 昆虫の種名には、「モドキ」が付くものが多いですね。イナゴモドキ、ナナフシモドキなどという種名があります。「もどき」とは、「何かに似て非なるもの」を指します。
 一種だけでなく、いく種も含めた分類グループ全体に「モドキ」が付くこともあります。例えば、ジョウカイモドキが、そのようなグループです。
 ほとんどの人にとって、ジョウカイモドキとは、聞き慣れない名前でしょう。ジョウカイ「モドキ」というからには、本家の「ジョウカイ」という昆虫がいるはずですね。
 ジョウカイモドキの本家は、ジョウカイボンという昆虫です。甲虫目【こうちゅうもく】ジョウカイボン科に属する昆虫たちです。ジョウカイボンについては、以前、このコラムで取り上げています(ジョウカイボンとは、どんな昆虫?(2009/05/18))。
 ジョウカイモドキのほうは、甲虫目ジョウカイモドキ科に属する昆虫たちを指します。名に反して、ジョウカイボンとは遠縁です。ジョウカイボン科は、ホタル上科に属しますが、ジョウカイモドキ科は、カッコウムシ上科に属します(分類には、異説があります)。
 近縁でないのなら、ジョウカイモドキは、何をもってジョウカイボンの「もどき」とされたのでしょうか? おそらく、生態が似ることです。
 ジョウカイボンもジョウカイモドキも、植物の葉や花にいることが多いです。これは、獲物を待ち伏せしているのです。花などにやってきた昆虫を、捕らえて食べます。ジョウカイボン、ジョウカイモドキともども、幼虫も肉食性です。
 ところが、ジョウカイモドキの成虫は、完全な肉食性とは限りません。植物を食べることがあります。例えば、ツマキアオジョウカイモドキという種は、他の昆虫以外に、花粉を食べます。
 生態が似るのに、食性が少し違うため、ジョウカイ「モドキ」にされたのでしょう。
 ジョウカイモドキ科の昆虫は、生態がわかっていないものが多いです。すべての種が、ジョウカイボン科に似るわけではないでしょう。そもそも、ジョウカイボン科にも、いろいろな種がいます。全部を「もどき」呼ばわりするのは気の毒ですね。


図鑑には、ツマキアオジョウカイモドキが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも「~モドキ」と付く生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウメモドキ? いえ、ツルウメモドキです(2009/12/25)
テリムクドリモドキ(2007/03/18)
サソリ? いえサソリモドキです(2006/09/29)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2010年3月19日 07:38に書いたブログ記事です。

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