アリが植物に登るのは、何のため?

user-pic
0

ico_weather_ame.gif

 春です。いろいろな生き物が活動を始めていますね。足もとを見るとアリたちが、忙しそうにしているかも知れません。
 時おり、アリが行列をなして植物に登っていることがあります。これは、何をしているのでしょうか? 多くの場合は、植物に食べ物を求めているのです。
 植物のうえには、アリの食べ物として、主に二種類のものがあります。
 一つは、アブラムシの出す甘露【かんろ】=甘い露です。
 園芸や農業をやる方なら、アブラムシは御存知でしょう。植物に付く小さな昆虫ですね。バラの新芽など、放っておくとアブラムシだらけになります。
 アブラムシは、植物の汁を吸って生きます。植物を弱らせるので害虫とされます。
 アブラムシの甘露とは、アブラムシの排泄物です。これには、たくさんの糖分が含まれます。甘いわけですね。アリは、甘い物が好きですから、アブラムシに寄ってゆきます。甘露をもらうかわり、アリはアブラムシを保護します。
 もう一つのアリの食べ物は、植物の出す蜜です。
 花に蜜があるのは、皆さん御存知ですね。ハチやチョウばかりでなく、アリも花の蜜を食べることがあります。でも、花の蜜以外の蜜のほうが、よく食べられるようです。
 植物に、花の蜜以外の蜜なんてあるのでしょうか? あります。花外蜜腺【かがいみつせん】といって、花以外のところにも、蜜を出す器官があります。
 どの植物にも、花外蜜腺があるわけではありません。ない植物もあります。花外蜜腺が、植物のどこにあるかは種によって違います。
 花外蜜腺は、もっぱら、アリのためにあるようです。アリを呼ぶために、花外蜜腺が発達したといえるでしょう。アリが植物に来ると良いことがあるからです。
 アリは、植物を食べるガ(蛾)の幼虫などを攻撃します。植物は、守ってもらえるわけです。ところが、前記のとおりアリは、アブラムシも保護します。植物の敵と味方と両方を保護するのですね。自然の中では、敵味方が複雑にからみ合っています。


図鑑には、クロオオアリクロヤマアリトゲアリが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、アリを取り上げています。アリと植物の関係や、哺乳類のアリクイの画像も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
オオアリクイ(2008/10/09)
可憐【かれん】なだけでは生きていけない、カタクリ(2008/03/24)
シロアリとアリとは、どう違う?(2007/06/11)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2010年4月16日 07:11に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「八重桜-鬱金【ウコン】」です。

次のブログ記事は「カワウ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。