肉食の背泳選手? マツモムシ

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 これからは、水が恋しくなる季節ですね。水場には、多くの生き物がいます。
 お近くに池や水田がある方は、覗いてみて下さい。水生昆虫たちが、見られるかもしれません。彼らは、水中で暮らすために、さまざまな工夫を凝らしています。
 比較的、目立つ水生昆虫に、マツモムシの仲間がいます。泳ぎに特徴があるからです。
 マツモムシの仲間は、腹を上に向けて泳ぎます。背泳ぎしているわけです。六本脚のうち、一番後ろの脚が発達しています。これで、力強く水を掻きます。
 長い後ろ脚で、背泳ぎしている水生昆虫がいたら、マツモムシの仲間だと思って間違いありません。昆虫に詳しくなくても、覚えやすいですね。
 なぜ、マツモムシの仲間は、背泳ぎするのでしょうか? 落ちてくる昆虫などを、待ちかまえるためと考えられています。
 マツモムシの仲間は、肉食性です。他の生き物を襲って食べます。魚やおたまじゃくしや、他の水生昆虫を襲うこともあります。
 それ以外に、水に落ちてくる生き物が、重要な食料です。落ちてきたものを、すぐ捕まえられるよう、脚のある側(腹側)を、上に向けていると考えられます。この特徴から、英語では、マツモムシの仲間を、Backswimmer(背泳選手)と呼びます。
 マツモムシの仲間とは、カメムシ目【もく】マツモムシ科に属する昆虫を指します。日本には、九種ほどがいるとされています。単に「マツモムシ」という種名の種もいます。日本で最も平凡なのは、おそらく、この種名マツモムシです。
 とはいえ、水生昆虫が「平凡な昆虫」だったのは、昔のことです。近年では、水生昆虫全般の数が減りました。人間が環境を変えたのが大きな原因です。
 護岸工事で、岸をコンクリートで固めたり、害虫駆除のため農薬をまいたりしたら、昆虫たちは生きてゆけません。日本では、ほとんどの水場がそんなふうですね。
 最近は、自然環境を復元したビオトープなども、できるようになりました。それで、すべてが解決するわけではありません。が、歓迎できる試みだと思います。


図鑑には、マツモムシが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、水生昆虫を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
昆虫一のアクアラング王者? ゲンゴロウ(2009/03/27)
アメンボは、水上のスケーター?(2008/01/18)
コオイムシの雄は子煩悩【こぼんのう】?(2006/05/05)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2010年5月31日 07:35に書いたブログ記事です。

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