盗人呼ばわりは、濡れ衣? コクヌスト

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 暑い季節には、昆虫の活動が盛んになります。貯蔵しておいた食べ物に、「虫がわく」のは、今のような季節ですね。
 ヒトの食べ物を食い荒らす昆虫には、たくさんの種があります。中に、コクヌストという種がいます。漢字で書けば、「穀盗人」です。「穀物を盗むやつ」という意味ですね。
 コクヌストは、甲虫目【こうちゅうもく】コクヌスト科に属します。コガネムシやクワガタと同じ甲虫の仲間ですね。コクヌスト科には、他にも多くの種が属します。ほとんどの種に、「○○コクヌスト」という種名が付きます。
 種名コクヌストは、名のとおり穀物に発生します。小麦粉などですね。幼虫も成虫も、穀物を食べます。ところが、「一概に害虫とは言えない」という意見があります。
 というのは、種名コクヌストは、動物質のものも食べるからです。具体的には、他の昆虫を食べます。穀物に発生する、他の害虫を食べてくれるのです。
 とはいえ、種名コクヌストは、実際に穀物を食べることが確認されています。「穀盗人」の名が、まったくの濡れ衣というわけではありません。
 けれども、種名コクヌスト以上に、穀物を食い荒らす昆虫が多くいます。コクヌストばかりが、「盗人」呼ばわりされるのはやや気の毒です。
 例えば、コクヌストモドキという種がいます。名前も姿も、種名コクヌストに似ています。しかし、こちらは、甲虫目ゴミムシダマシ科に属します。
 コクヌストモドキは、世界的な穀物の害虫です。その害は、種名コクヌストのものを、はるかにしのぎます。害虫としては、「もどき」どころか、こちらが本家です。
 ゴミムシダマシ科には、他にも穀物の害虫となる種がいます。ヒラタコクヌストモドキ、コメノゴミムシダマシなどです。いっぽう、本家?のコクヌスト科のほうには、穀物の害虫は少ないです。種名コクヌストが例外なのですね。
 コクヌスト科の種は、大部分が野外で暮らします。ヒトに害を与えません。なのに、科の名前がコクヌスト(穀盗人)とは、誤解されやすいですね。


図鑑には、オオコクヌストが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、屋内の害虫となる種を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ミールワームとは、どんな虫?(2008/03/28)
カツオブシムシは文化財の敵?(2007/10/19)
シミは本を食べる?(2006/10/27)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2010年6月27日 07:54に書いたブログ記事です。

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