イロハモミジ 画像
和名:イロハモミジ
学名:Acer palmatum Thunb. ex Murray
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東京 町田 【2010.11.21】
イロハモミジが掲載されています。ぜひご利用下さい。
2010年11月アーカイブ
公園などの木には、種名のプレートが付いていることがありますね。「この木は、何という名前かな?」と調べるのも楽しいものです。
ところが、種名が付いていても、困ることがあります。種名が、漢字で書かれている場合です。動植物の漢字名には、複数の読み方があるものが少なくありません。
例を挙げてみましょう。「楓」という漢字です。日本語ではこの字は、「かえで」と読まれることが多いですね。カエデ科カエデ属の植物を指します。
けれども、「楓」には、別の読み方もあります。「ふう」という読みです。「ふう」と読んだ場合は、マンサク科フウ属の植物を指します。カエデとは、まったく違う植物です。
漢字の故郷の中国では、「楓」の字は、フウのほうを指していました。それが、日本に伝わった時、間違えてカエデに当てられてしまいました。
日本には、もともとフウ属の植物はありませんでした。フウ属とカエデ属とは、遠縁ですが、葉の形が似ます。このため、「楓」が、カエデだと誤解されました。
中国には、フウ属の一種であるフウという種が、自生します。現在では、日本でも、フウを見ることができます。人間により移植されたからです。
フウ属の一種に、モミジバフウ(紅葉葉楓)という種名のものがあります。日本の公園にあるのは、フウよりも、モミジバフウのほうが多いようです。モミジと名に付いても、カエデ属ではありません。フウ属です。紛らわしいですね。
モミジバフウは、北米大陸の原産です。このため、アメリカフウ(アメリカ楓)という別名があります。日本には、大正時代に移入されました。
フウ属の植物は、不思議な分布をしています。中国や台湾などの東アジアに二種、トルコなどの西アジアに一種、北米から中米の東部に一種、という具合です。大陸がつながっているのに、中央アジアやヨーロッパには、自生種がないようです。
似た分布の植物は、他にも知られます。「このような分布は、地球の歴史と関わりがある」と考えられています。フウ属を調べれば、地球の秘密がわかるかも知れません。
図鑑には、モミジバフウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、読み方により、違うものを指す生き物の名前を、取り上げています。また、フウ属のように、不思議な分布の生き物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヨーロッパ独りぼっち? レンギョウ(2010/03/12)
生き別れの親類が再会? ヤマボウシとハナミズキ(2008/05/19)
大山椒魚(オオサンショウウオ)は冬眠しない?(2007/02/05)
などです。
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生き物の世界には、擬態【ぎたい】という現象があります。他の生き物や周囲の物の姿をまねることですね。わかりやすい例を、挙げてみましょうか。
昆虫のバッタを御存知でしょう。多くのバッタは、草むらにいます。そして、緑色ですね。草と同じ色をしています。これは、草に紛れて、敵から逃れようというわけです。
バッタの例は、擬態のほんの一例です。生き物の世界には、もっといろいろな擬態をするものがいます。中には、何に擬態しているのか、わかりにくいものもいます。
例えば、ヘラヤガラという魚がいます。海の魚です。体も顔も、全体的に細長いです。
この魚は、海底に頭を向けて泳ぐことが多いです。逆立ちの状態ですね。たいてい、海藻やカイメンやサンゴなど、底から生えるものに寄り添っています。どうやら、海藻やカイメンやサンゴなどに擬態しているようです。
ヒトの目で見るとヘラヤガラの擬態は、あまり成功しているように見えません。それでも、彼らが生き続けているからには、効果はあるのでしょう。
ヘラヤガラの擬態は、敵から逃れるためだけではありません。獲物の目をごまかすためにも役立ちます。そういう擬態もあるのですね。
ヘラヤガラは、肉食性です。小魚やエビなどを食べます。獲物をつかまえるには、気づかれてはいけませんね。気づかれないよう、忍び寄るのに擬態が役立ちます。
ヘラヤガラの口は、細長く、筒状です。彼らの頭部の大部分を、口が占めています。この口を、スポイトのように使って、すばやく獲物を吸いこみます。
「逆立ち擬態」以外に、ヘラヤガラには「大型の魚に寄り添って泳ぐ」習性もあります。これも、擬態の一種なのでしょうか? 詳しいことはわかっていません。もしかしたら、大きな魚のおこぼれを狙っているだけかも知れません。
ところで、ヘラヤガラはヒトの食用になるのでしょうか? 普通は、食べられることはありません。でも、毒があるわけではありません。骨が多いため、食べられる部分が少ないのだそうです。わざわざ捕って食べるほどではないということですね。
図鑑には、ヘラヤガラが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、擬態【ぎたい】について取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
パウルくんは、マダコ(真蛸)か?(2010/09/13)※タコの仲間は、擬態が得意です。
アシナガバチ? いえ、カシコスカシバです(2008/09/15)
木に化けて冬を越す? シャクガ(2007/12/14)
葉隠れの術を使う? ナナフシ(2006/11/20)
などです。
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漢字が、中国から伝わったことは皆さん御存知ですね。日本人は、もともとは異国の字である漢字に、日本の意味を当てはめて使っています。
意味を当てはめる時に、間違ってしまったものもあります。動植物名を指す漢字には、そういうことがよく起こりました。
例えば、桂【けい】という字があります。訓読みをすれば、この字は「かつら」ですね。日本に自生する、カツラという樹木に当てはめられました。
ところが中国では、この字は違う植物を指します。モクセイ(木犀)のことです。
なぜ、カツラとモクセイとが、混同されたのでしょうか? この謎は、解けていません。私の考えでは、「香り」に鍵があると思います。
モクセイの仲間は、秋に良い香りの花を咲かせますね。カツラも、秋に良い香りがします。でも、カツラは、秋に花が咲くのではありません。なんと、黄葉【こうよう】する葉が匂います。醤油の香りに似ているといわれます。
ややこしいことに、「桂」の字は、カツラや、モクセイ以外の植物を指すこともあります。ゲッケイジュ(月桂樹)やニッケイ(肉桂)などです。
ゲッケイジュとニッケイとは、香辛料に使われることで、知られますね。ゲッケイジュの葉は、ローレルやローリエという名で、料理に使われます。ニッケイのほうは、樹皮が、シナモンやニッキという名でやはり料理に使われます。
どうやら、中国でも日本でも「良い香りがする樹木」には、桂の字を付けたがったようです。おかげで、桂の字だけでは、どんな植物を指すのかわかりません。
本来の桂【けい】であるモクセイとは、モクセイ科モクセイ属の種を指す総称です。カツラは、カツラ科カツラ属の中の一種です。ゲッケイジュは、クスノキ科ゲッケイジュ属の中の一種です。ニッケイとは、クスノキ科ニッケイ属の種を指す総称です(中に、「ニッケイ」という種名のものがあります)。
これだけ違うグループに、同じ字が付くとは、紛らわしいことですね。
図鑑↓↓↓↓↓には、本来の桂【けい】であるカツラぜひご利用下さい。
過去の記事で、本来の桂【けい】であるモクセイを取り上げています。また、クスノキ科ニッケイ(肉桂)属の植物を食べるアオスジアゲハも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
猛毒を食べる? アオスジアゲハ(2009/05/01)
キンモクセイとギンモクセイの謎(2005/09/12)
などです。
昔、北海道に「ゴンボネズミ」と呼ばれる動物がいました。
ゴンボネズミの外見は、ネズミに似ます。ただし、ネズミのような尾はありません。高山の岩場に棲みます。「ピチー」とか「ピュー」という声で鳴きます。
生き物に詳しい方ならここまでの記述で、もうおわかりでしょう。「ゴンボネズミ」とは、エゾナキウサギのことです。
ナキウサギとは、ウサギ目【もく】ナキウサギ科に属する種の総称です。エゾナキウサギは、ナキウサギ科の一種、キタナキウサギの亜種です。
ナキウサギは、普通のウサギと違い、耳が長くありません。けれども、れっきとしたウサギの仲間です。体の仕組みなどを調べると、普通のウサギと共通点があります。
なぜ、ナキウサギの耳は、長くないのでしょうか? それは、ナキウサギが、普通のウサギより原始的だからだと考えられています。ナキウサギは、古い時代のウサギの姿を残しているのですね。生きている化石といえます。
ウサギの祖先はある時期までは、ネズミの祖先と一緒でした。どこかの時代に、ネズミの祖先から、ウサギの祖先が分かれて進化しました。
ナキウサギは、「ネズミの祖先から分かれて間もない頃の、ウサギの姿を現わしている」と考えられています。道理で一見、ネズミに見えるわけですね。
現在では、ウサギの仲間はウサギ目【もく】、ネズミの仲間は齧歯目【げっしもく】という具合に、違うグループに分類されています。
今、普通の動物図鑑を引いても、「ゴンボネズミ」は載っていません。ナキウサギなら、載っています。正式な名前が、ナキウサギだからです。「ゴンボネズミ」では、ネズミの仲間と誤解されてしまいますよね。
「ゴンボネズミ」がナキウサギになったのは、昭和初期のことです。それまで、「ゴンボネズミ」は、学界に知られない未確認動物でした。確認されてみたら、正真正銘の生きている化石でした。日本にも、こんな劇的な新種発見があります。
ナミアゲハが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、ウサギの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シカ(鹿)やカモシカ(氈鹿)の子を見つけたら?(2008/05/23)
うさぎの耳について教えて下さい(2006/05/16)
ウサギのウンコはゴハンのように(2006/04/11)
野ウサギの目は赤くない(2006/02/27)
哺乳類のウサギは、なぜ単独でウサギ目なのですか?(2005/10/30)
などです。
イチョウ【氷川神社】イチョウ 画像
和名:イチョウ
学名:Ginkgo biloba L.
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東京 港区 【2010.11.17】
図鑑にはイチョウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
ソメイヨシノ並木(青山墓地)ソメイヨシノ 画像
和名:ソメイヨシノ
学名:Cerasus ×yedoensis (Matsum.) A.Vassil.
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東京 港区 【2010.11.12】
図鑑にはソメイヨシノが掲載されています。ぜひご利用下さい。
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ハシビロガモ 画像
和名:ハシビロガモ
学名:Anas clypeata
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沖縄 金武 【2010.11.12】
ハシビロガモが掲載されています。ぜひご利用下さい。
イチョウ並木(絵画館前、津田塾前)イチョウ 画像
和名:イチョウ
学名:Ginkgo biloba L.
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東京 港区、渋谷区 【2010.11.12】
イチョウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
ウラナミシジミ 画像
和名:ウラナミシジミ
学名:Lampides boeticus
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沖縄 糸満 【2010.10.16】
ウラナミシジミが掲載されています。ぜひご利用下さい。
だんだん寒くなる季節ですね。こんな季節に、鮮やかに咲く花があります。キク(菊)の仲間です。昔から、日本で栽培されていますね。
栽培されるキクには、いろいろな種類があります。野生の種をそのまま栽培している場合もあれば、人間が作った栽培品種もあります。
野生種を、そのまま栽培しているものの一種に、イソギク(磯菊)があります。名のとおり、元は、海岸に生える種です。日本の千葉県から静岡県にかけて野生します。
キク科植物の中で、イソギクは、とりたてて美しい花が咲くわけではありません。この花には、目立つ花びらがありません。黄色く丸い花が、小さなふさのように咲きます。
イソギクは、日本で、江戸時代から栽培されています。目立たない花なのに、なぜ、栽培されるようになったのでしょうか? この理由は、わかっていません。花の少ない季節、わびしい海岸で咲く姿が、目についたのでしょうか。
それでも、イソギクの花は、他の華やかなキクに負けていません。多くのキクの展覧会で、イソギクが見られます。
菊人形というものを、見たことがありませんか? 文字どおりキクの花を、人形にかたどったものです。菊人形の胴体部分には、イソギクが使われることが多いです。
大きくて、厚みがある花では、人形の形にしにくいのでしょう。シンプルで小さいイソギクの花が、役立つわけです。
菊人形の歴史は、江戸時代からといわれます。江戸時代の人は、菊人形に使うことを見越して、イソギクを栽培するようになったのでしょうか? だとしたら、とても慧眼【けいがん】ですね。園芸文化が発達した江戸ならでは、だと思います。
野生のイソギクには、栽培されているものとは違う味わいがあります。それは、おそらく、厳しい環境に耐えて、花を咲かせるからでしょう。
海岸は、植物が育ちやすい環境とは言えません。潮風やしぶきや、強烈な日射しに悩まされます。そんな中で咲くと思えば、小さな花にも、生命力を感じますね。
図鑑には、イソギクが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、キク科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ふきのとうは、食用花?(2010/02/12)
新種が続々、アザミ(2009/09/11)
田で平たくなるから、タビラコ(田平子)?(2009/01/16)
九月九日は菊の節句(2006/09/09)
などです。
オナガガモ 画像
和名:オナガガモ
学名:Anas acuta
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東京 品川 【2010.11.07】
オナガガモが掲載されています。ぜひご利用下さい。
イソシギ 画像
和名:イソシギ
学名:Actitis hypoleucos
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沖縄 糸満 【2010.10.16】
イソシギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
昆虫とは、節足動物門【せっそくどうぶつもん】昆虫綱【こんちゅうこう】というグループに分類される生き物です。この中で、最も原始的なのは、どういう昆虫でしょうか?
これには、いくつかの説があります。有力な説の一つは、「イシノミ目【もく】に属するものが、最も原始的な昆虫だ」というものです。
イシノミという名は、ほとんどの方が、聞いたことがないでしょう。目立たない昆虫なので、知られていません。でも、昆虫の進化を考えるには重要なグループです。
イシノミ目は、古顎目【こがくもく】とも呼ばれます。古顎目とは、古風な呼び方です。
古顎という名は、イシノミ目の昆虫が、原始的な(と考えられている)顎【あご】の構造をしているため付けられました。昆虫の中では、イシノミ目にしか、見られない構造です。この顎の構造が、イシノミ目を「最も原始的」とする大きな証拠です。
イシノミ目には、他にも、原始的な特徴があります。「一生、翅【はね】を持たないこと」、「幼虫と成虫の姿がほとんど変わらないこと」などです。
イシノミ目の種は、外見が、シミ目【もく】の種に似ています。あの、紙を食べるシミですね。このため、昔は、イシノミとシミとは、近縁な仲間だと考えられていました。
現在では、イシノミとシミとは、遠縁だと考えられています。
イシノミのような、珍しい昆虫は、日本にいないとお思いですか? そんなことはありません。日本にも分布します。例えば、その名も「ヤマトイシノミ」という種が、北海道と本州に分布します。人家のそばの石垣にも、いることがあります。
「最も原始的な昆虫」の座を、イシノミと争うものについても触れておきましょう。
学説により、昆虫の仲間に入れられたり、外されたりするグループがあります。コムシ目【もく】、カマアシムシ目【もく】、トビムシ目【もく】です。これらのグループも、普通の昆虫と同じく、六本の脚を持ちます。
昆虫綱の分類は、まだ、確定していません。今後の研究によっては、イシノミ目が、前記のコムシ目などに、「最も原始的な昆虫」の座を明け渡すかも知れません。
図鑑には、ヤマトイシノミが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、昆虫の進化や分類について取り上げています。また、イシノミと外見が似ているシミも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
チョウ(蝶)はチョウ目【もく】? 鱗翅目【りんしもく】?(2008/07/22)
シミは本を食べる?(2006/10/27)
トンボでないトンボがいる?(2006/07/31)
などです。
シロチドリ 幼鳥 画像
和名:シロチドリ
学名:Charadrius alexandrinus
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沖縄 糸満 【2010.10.16】
シロチドリが掲載されています。ぜひご利用下さい。
トコロという植物の名を聞いたことがおありでしょうか? ほとんどの方は、御存知ないと思います。けれども、江戸時代までの日本では、馴染みがある植物でした。
トコロとは、一種の植物の名ではありません。複数の種の総称です。ヤマノイモ科ヤマノイモ属の種のうち、一群のつる性のものを指します。オニドコロ、ヒメドコロ、タチドコロなどの種があります。みな「○○ドコロ」という種名が付きます。
ヤマノイモといえば、食用植物ですね。「とろろ」になるイモです。トコロも、食べられるのでしょうか? そのために、昔の日本で、名が知られたのでしょうか?
トコロの仲間は、多くは食べられません。一部の種だけが、食べられます。ヒメドコロ、トゲドコロなどです。あく抜きをすれば、他の種も食べられるようです。ヤマノイモと同じく、食べるのは根です。でも、現代では、一般的に食べる植物ではありません。
昔、食料事情が厳しい時代には、あく抜きをしてでも、食べたでしょう。人々が、最初に「トコロ」を知ったのは、そういう時代です。古事記や万葉集に、「ところづら」という名で、トコロが登場します。
しかし、トコロは、のちに、別の面で知られるようになりました。「縁起もの」としてです。江戸時代の日本では、お正月飾りとして、トコロの根が売られたそうです。
トコロの「いも」状の根には、たくさんの細い根が付きます。これを、老人の「ひげ」にたとえました。このために、トコロの漢字名を「野老」と書きます。「野にいる老人」という意味ですね。長寿の願いが込められました。
万葉集では、「ところづら」という名を、「とこしく」という言葉を導くのに使っています。「とこしく」とは、「ずっと長く、今のようにある」という意味です。万葉時代から、「縁起の良いもの」になる要素ができていたわけですね。
「ところづら」の「づら」とは、「つる植物」の意味です。では「ところ」とは? この語源には、諸説があります。定まった解釈はありません。
ラテン語の学名では、オニドコロに、Dioscorea tokoroの名が付いています。
図鑑には、オニドコロが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、ヤマノイモ科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
とろろの材料になるのは、ヤマイモ? ヤマノイモ?(2008/11/07)
2008年は国際イモ年、それ本当?(2008/07/30)
などです。
ハブは、誰もが名を聞いたことのあるヘビでしょう。有名な毒蛇ですね。日本の南西諸島に分布します。じつは、ハブと呼ばれるヘビには、複数の種がいます。
ややこしいことに、単に「ハブ」という種名のものもいます。普通にハブという場合には、この種を指すことが多いですね。他の種と区別するため、種名ハブは、ホンハブと呼ばれることもあります。
種名ハブ(ホンハブ)の他に、トカラハブ、ヒメハブ、サキシマハブが、日本に分布します。南西諸島に近い台湾や中国南部には、タイワンハブが分布します。
これらの種は、ヒメハブを除いて、クサリヘビ科ハブ属に属します。ヒメハブだけは、クサリヘビ科ヤマハブ属に属します。でも、同じ科ですから、近縁といえます。
ハブ属や、ヤマハブ属の分布を調べると、面白いことに気づきます。隣り合った島でも、ハブ属やヤマハブ属が分布している島と、そうでない島があるのです。
こうなった理由は、「南西諸島の成り立ちと、関係がある」と考えられています。
遠い昔、日本列島は、大陸と地続きでした。もちろん、南西諸島も地続きでした。この時代に、ハブ属やヤマハブ属が、日本に分布を広げました。
その後、日本列島は、大陸から切り離されます。南西諸島も、点々と島が連なる状態になります。けれども、最初から、現在とまったく同じだったわけではありません。
陸が海になったり、海が陸になったり、ということが何回か繰り返されました。海に没すれば、陸の生き物は、死に絶えてしまいます。ハブ属もヤマハブ属も、死に絶えたでしょう。彼らには、海を渡れるほどの遊泳力はありません。
南西諸島の中でも、与論島【よろんとう】、沖永良部島【おきのえらぶじま】、与那国島【よなぐにじま】、波照間島【はてるまじま】などには、ハブ属もヤマハブ属も、分布しません。これらの島は、かつて、海に沈んでいたことがあるとわかります。
中には、ハブ属がいるのにヤマハブ属がいない島、その逆の島もあります。こうなった謎は、まだ解かれていません。南西諸島の秘密は、ハブが握っているのでしょうか。
図鑑には、ハブ属のハブ、サキシマハブ、ヤマハブ属のヒメハブ、が掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、ハブ属やヤマハブ属の種を取り上げています。また、日本にいる他の毒蛇も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
マムシは「出産」する?(2007/08/31)
ツチノコの正体? ヒメハブ(2006/08/14)
田んぼによくいるヘビ(蛇)、ヤマカガシ(2006/05/22)
ハブはなぜ危険か?(2005/12/02)
などです。
スズメ 画像
和名:スズメ
学名:Passer montanus
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 金武 【2010.10.16】
スズメが掲載されています。ぜひご利用下さい。
バン 画像
和名:バン
学名:Gallinula chloropus
※画像をクリックすると大きな画像が見られます。
沖縄 金武【2010.10.16】
図鑑には、バンが掲載されています。ぜひご利用下さい。
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紅葉や黄葉が美しい季節ですね。中でも、カエデの仲間は、その美しさを愛でられます。一般的に、「カエデ」と呼ばれるのは、カエデ科のカエデ属に属する種です。
カエデ属には、多くの種が含まれます。イロハモミジ、ウリハダカエデ、オオモミジ、ハウチワカエデなどです。「○○モミジ」や、「○○カエデ」という種名のものが多いですね。中には、チドリノキ、メグスリノキのように、そうではない種もあります。
カエデといえば、日本人は、「観賞するもの」と思うでしょう。けれども、世界的に見れば、カエデを食用にする地域もあります。そう、メープルシロップですね。
メープルシロップは、カエデ属のサトウカエデから作られます。サトウカエデは、日本には自生しません。たまに、栽培されているものはあります。でも、日本では、商業的に、サトウカエデからメープルシロップを作るところは、ないようです。
日本に自生するカエデから、メープルシロップを作ることは、できないのでしょうか? じつは、作れる種があります。イタヤカエデと呼ばれる種です。
ところが、イタヤカエデには、大きな問題があります。分類が確定していないことです。イタヤカエデと呼ばれるものの中に、複数の種が混ざっている可能性があります。
つまり、同じ「イタヤカエデ」でも、どれがメープルシロップが作れる木なのか、わからないということです。いちいち確かめる手間を考えたら、今のところ、商業的にメープルシロップを作るのは無理でしょう。
「イタヤカエデ」には、多くの別名があります。エンコウカエデ、アサヒカエデ、エゾイタヤなどです。これらの名は、「イタヤカエデ」とは別種の名として扱われることがあります。「イタヤカエデ」という種内の品種名として扱われることもあります。
有名な種なのに、「イタヤカエデ」が載っていない図鑑があります。それは、「イタヤカエデ」という種を認めていない場合ですね。通称「イタヤカエデ」と呼ばれる種を、エンコウカエデなど、他の種名で採用している場合があります。
分類がどうあれ、カエデの美しさは変わりません。日本の秋の美を楽しみましょう。
図鑑には、ハエトリグモの一種、イロハモミジ、a href="http://m.zukan.net/beings/ウリハダカエデ">ウリハダカエデ、a href="http://m.zukan.net/beings/エンコウカエデ">エンコウカエデ、a href="http://m.zukan.net/beings/オオモミジ">オオモミジが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、紅葉や黄葉が美しい植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ケヤキは、古代の聖樹?(2010/07/09)
一度滅びて、復活? ナンキンハゼ(2009/11/02)
日本のろうそくを灯すのは、ハゼノキ?(2009/10/07)
などです。