菊展の隠れた主役? イソギク

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 だんだん寒くなる季節ですね。こんな季節に、鮮やかに咲く花があります。キク(菊)の仲間です。昔から、日本で栽培されていますね。
 栽培されるキクには、いろいろな種類があります。野生の種をそのまま栽培している場合もあれば、人間が作った栽培品種もあります。
 野生種を、そのまま栽培しているものの一種に、イソギク(磯菊)があります。名のとおり、元は、海岸に生える種です。日本の千葉県から静岡県にかけて野生します。
 キク科植物の中で、イソギクは、とりたてて美しい花が咲くわけではありません。この花には、目立つ花びらがありません。黄色く丸い花が、小さなふさのように咲きます。
 イソギクは、日本で、江戸時代から栽培されています。目立たない花なのに、なぜ、栽培されるようになったのでしょうか? この理由は、わかっていません。花の少ない季節、わびしい海岸で咲く姿が、目についたのでしょうか。
 それでも、イソギクの花は、他の華やかなキクに負けていません。多くのキクの展覧会で、イソギクが見られます。
 菊人形というものを、見たことがありませんか? 文字どおりキクの花を、人形にかたどったものです。菊人形の胴体部分には、イソギクが使われることが多いです。
 大きくて、厚みがある花では、人形の形にしにくいのでしょう。シンプルで小さいイソギクの花が、役立つわけです。
 菊人形の歴史は、江戸時代からといわれます。江戸時代の人は、菊人形に使うことを見越して、イソギクを栽培するようになったのでしょうか? だとしたら、とても慧眼【けいがん】ですね。園芸文化が発達した江戸ならでは、だと思います。
 野生のイソギクには、栽培されているものとは違う味わいがあります。それは、おそらく、厳しい環境に耐えて、花を咲かせるからでしょう。
 海岸は、植物が育ちやすい環境とは言えません。潮風やしぶきや、強烈な日射しに悩まされます。そんな中で咲くと思えば、小さな花にも、生命力を感じますね。

図鑑には、イソギクが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、キク科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ふきのとうは、食用花?(2010/02/12)
新種が続々、アザミ(2009/09/11)
田で平たくなるから、タビラコ(田平子)?(2009/01/16)
九月九日は菊の節句(2006/09/09)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2010年11月15日 07:41に書いたブログ記事です。

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