桂【けい】とは、どんな植物?

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 漢字が、中国から伝わったことは皆さん御存知ですね。日本人は、もともとは異国の字である漢字に、日本の意味を当てはめて使っています。
 意味を当てはめる時に、間違ってしまったものもあります。動植物名を指す漢字には、そういうことがよく起こりました。
 例えば、桂【けい】という字があります。訓読みをすれば、この字は「かつら」ですね。日本に自生する、カツラという樹木に当てはめられました。
 ところが中国では、この字は違う植物を指します。モクセイ(木犀)のことです。
 なぜ、カツラとモクセイとが、混同されたのでしょうか? この謎は、解けていません。私の考えでは、「香り」に鍵があると思います。
 モクセイの仲間は、秋に良い香りの花を咲かせますね。カツラも、秋に良い香りがします。でも、カツラは、秋に花が咲くのではありません。なんと、黄葉【こうよう】する葉が匂います。醤油の香りに似ているといわれます。
 ややこしいことに、「桂」の字は、カツラや、モクセイ以外の植物を指すこともあります。ゲッケイジュ(月桂樹)やニッケイ(肉桂)などです。
 ゲッケイジュとニッケイとは、香辛料に使われることで、知られますね。ゲッケイジュの葉は、ローレルやローリエという名で、料理に使われます。ニッケイのほうは、樹皮が、シナモンやニッキという名でやはり料理に使われます。
 どうやら、中国でも日本でも「良い香りがする樹木」には、桂の字を付けたがったようです。おかげで、桂の字だけでは、どんな植物を指すのかわかりません。
 本来の桂【けい】であるモクセイとは、モクセイ科モクセイ属の種を指す総称です。カツラは、カツラ科カツラ属の中の一種です。ゲッケイジュは、クスノキ科ゲッケイジュ属の中の一種です。ニッケイとは、クスノキ科ニッケイ属の種を指す総称です(中に、「ニッケイ」という種名のものがあります)。
 これだけ違うグループに、同じ字が付くとは、紛らわしいことですね。

図鑑↓↓↓↓↓には、本来の桂【けい】であるカツラぜひご利用下さい。

過去の記事で、本来の桂【けい】であるモクセイを取り上げています。また、クスノキ科ニッケイ(肉桂)属の植物を食べるアオスジアゲハも取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
猛毒を食べる? アオスジアゲハ(2009/05/01)
キンモクセイとギンモクセイの謎(2005/09/12)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2010年11月22日 07:27に書いたブログ記事です。

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