カトレヤは、雑種だった?

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 明けましておめでとうございます。今回は、お正月にふさわしく、華やかな花の話をしましょう。洋蘭【ようらん】の仲間、カトレヤ(カトレア)です。
 洋蘭の代表のようにいわれるのが、カトレヤですね。カトレヤとは、一種の植物だけを指すのではありません。ラン科カトレヤ属に属する種を、カトレヤと総称します。
 カトレヤ属の野生種は、現在のところ、四十種ほど見つかっています。これら以外に、栽培品種が、数え切れないほどあります。カトレヤ属の野生種同士を交配して、作られたものです。花屋さんの店先にあるのは、栽培品種がほとんどです。
 カトレヤ属以外の種が、カトレヤと呼ばれることもあります。ラン科の中で、カトレヤ属に近縁で、姿も似るものたちです。ブラッサボラ属、レリア属、ソフロニティス属に属する種です。園芸の世界では、これらの属の種も、まとめてカトレヤと呼ばれます。
 ところが、ややこしいことがあります。カトレヤ属、ブラッサボラ属、レリア属、ソフロニティス属の種は、互いに交配することができます(!) 属をまたいで作られた栽培品種が、たくさんあります。これらの品種も、花屋さんで、普通に売られています。
 自然の世界では、違う種が交配すること自体が、珍しいですね。ちゃんと子が生まれたとしても、その子には、生殖能力がないことが多いです。
 例えば、ラバという動物がいますね。ウマとロバの間に生まれるものです。ラバには、通常、生殖能力はありません。まれに生殖能力があると、ニュースになるほどです。
 ウマとロバとは、同じウマ属に属します。同じ属の種同士で交配しても、三世代めができるのは、難しいわけです。まして、属が違えば、もっと縁が遠いです。属が違うもの同士では、交配できないのが普通です。
 その点、ラン科の植物は、変わっています。属が違っても、交配できるものが多いです。しかも、それらの属間雑種にも、生殖能力があります。三世代め、四世代めと続きます。新たな属が、どんどんできているようです。
 なぜ、ラン科は、そんなことができるのでしょうか? 未解明の謎です。


図鑑にはカトレヤ・ラビアータが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事で、カトレヤと同じラン科の植物を取り上げています。また、ラン科のランと紛らわしい植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
スズラン(鈴蘭)は、ランではない?(2010/05/07)
紫蘭【シラン】(2008/04/24)
イグ・ノーベル賞の、バニラ【Vanilla】の研究とは?(2007/10/18)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2011年1月 3日 07:51に書いたブログ記事です。

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