魚か鳥か? シマアジ

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 シマアジと聞いて、何を連想しますか? 大概の方は、魚の一種を思い浮かべるでしょう。日本で、普通に食用にされる魚ですね。スズキ目【もく】アジ科の一種です。
 ところが、もう一種、シマアジという種名の生き物がいます。何だと思いますか?
 もう一種のほうは、鳥類です。カモ目【もく】カモ科の一種です。
 なぜ、魚と鳥とで、まったく同じ種名が付いたのでしょうか? 語源を探ってゆくと、共通点が見えてきます。どちらも、ヒトにとって美味しいことです。
 魚のアジの仲間(アジ科)は、食用魚が多いことで知られます。シマアジ以外に、マアジなども食用にされますね。そもそも、魚のアジ(鯵)という名は、「味が良いから付いた」といわれます(語源には、異説もあります)。
 鳥のアジのほうも、「味が良いから付いた」とされます。カモ肉は、美味しい物の代名詞ですね。「カモがネギをしょってくる」などという諺【ことわざ】もあります。古語では、現在のコガモや、トモエガモや、シマアジをまとめて、アジガモと呼んだようです。
 カモ科に属する鳥の種は、たくさんいます。それらの中から、なぜ、コガモや、トモエガモや、シマアジを指して、アジガモと呼んだのでしょう? これは、わかっていません。
 ちなみに、鳥類には、アジサシという種名のものもいます。こちらは、アジガモとは遠縁です。チドリ目【もく】カモメ科に属します。アジサシのほうは、魚のアジに由来する名だと、はっきりしています。アジなどの魚を捕って食べるため、「鯵刺し」です。
 「魚のアジの名は、鳥のアジガモに由来する」説もあります。「アジガモと同じように、美味しい魚だから」らしいです。ただし、この説に、明確な根拠はありません。
 アジガモという名は、現在では、ほとんど消えてしまいました。日本で普通に見られる鳥では、わずかに、シマアジの種名に、名を残すだけです。
 鳥のシマアジは、日本では、旅鳥になることが多いです。春と秋にしか見られないわけですね。おまけに、数も少ないです。バードウォッチングで、見られたら、ちょっと自慢できる種かも知れません。機会があれば、挑戦してみて下さい。

図鑑には、鳥のシマアジコガモトモエガモ、魚のマアジが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、違う分類グループで、同じ名前の生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
<ゴンズイの名の由来は?(2009/06/19)
都鳥【みやこどり】の正体は、ユリカモメ?(2009/01/23)
ホトトギスは鳥? それとも植物?(2007/10/05)
昆虫にも、「ミミズク」がいる?(2007/07/09)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2011年3月14日 07:42に書いたブログ記事です。

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