属名で混乱中、ヒエンソウ(飛燕草)の仲間たち

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 花屋さんなどで、デルフィニウムという花を見たことがありませんか? 多くの場合、青い花が、旗竿のように長い茎に、たくさん付いています。花の色は、黄色やピンクのこともあります。華やかなので、パーティ会場などに、よく使われる花です。
 デルフィニウムとは、一種の植物だけを指す名ではありません。キンポウゲ科デルフィニウム属に属する種の総称です。デルフィニウムDelphiniumという名は、ラテン語の学名に由来します。この属の植物は、もとは、日本には、自生しませんでした。
 現在の日本には、外国から帰化したデルフィニウム属があります。普通に見られるデルフィニウムは、栽培品種です。いくつかの野生種を交配して、品種改良したものです。
 デルフィニウム属は、日本語名で、オオヒエンソウ属と呼ばれることもあります。ところが、この名は、確定したものではありません。チシマヒエンソウ属という呼び方もあります。さらには、ヒエンソウ属と呼ばれることもあります。
 前記の日本語の属名のうち、「ヒエンソウ属」だけは、間違いです。それには、以下のような理由があります。
 日本語名を、ヒエンソウという種があります。この種は、以前、ラテン語の学名を、Delphinium ajacisといいました。デルフィニウム属だったのですね。それが、分類が変わりました。現在の学名は、Consolida ajacisです。属は、Consolida属になりました。
 現在では、ラテン語の学名Consolida属のほうが、「ヒエンソウ属」にされています。デルフィニウム属のほうの日本語名は、定まっていません。
 ヒエンソウ属と、デルフィニウム属とは、近縁です。同じキンポウゲ科です。外見も似ます。このため、現在でも、一緒くたに「デルフィニウム」と呼ばれることが多いです。
 他に、まとめて、ラークスパー(英語名larkspurに由来)、ヒエンソウなどと呼ばれることもあります。チドリソウ(千鳥草)という名が、使われることもあります。
 チドリソウの名を、これらの属に使うのは、好ましくありません。別に、ラン科の植物で、この名を持つものがあるからです。紛らわしい名は、避けたほうがいいですね。
図鑑には、セリバヒエンソウが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、紛らわしい名を持つ植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウメじゃない梅がある?(2011/02/18)
雪割草【ゆきわりそう】と、ユキノシタは、違う? 同じ?(2011/02/4)
楓【かえで】? いえ、楓【ふう】の木です(2010/11/29)
桂【けい】とは、どんな植物?(2010/11/22)
忘れ草【わすれぐさ】とは、どんな植物?(2010/08/25)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2011年5月27日 07:41に書いたブログ記事です。

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