キリンソウの名の由来は?

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 梅雨の季節ですね。日本は、雨の多い国です。そのために、生き物も、水が豊富な環境に適応したものが多いです。けれども、日本にも、水が乏しい環境が、ないわけではありません。そのような環境に、適応した生き物がいます。
 例えば、植物では、ベンケイソウ科に属するものが、そうです。ベンケイソウ科の植物は、肉厚の葉を持ちます。茎も太く、水を含んだ感じのものが多いです。体内に、水を蓄えられるようになっています。乾燥に耐えられるわけですね。
 日本に自生するベンケイソウ科には、キリンソウ、コモチマンネングサなどの種があります。コモチマンネングサは、畑や道端で、普通に見られる草です。いわゆる雑草の一種ですね。これは、ベンケイソウ科の種としては、珍しいことです。
 ベンケイソウ科の多くの種は、もっと乾燥した場所に生えます。岩場や、海岸などです。海岸には、海水はありますが、淡水―植物には、必要です―は少ないですね。
 キリンソウは、岩場や海岸、荒れ地に生えます。ベンケイソウ科としては、典型的です。
 キリンソウ(麒麟草)という種名からは、背が高い植物が想像されますね。ところが、実際は、そんなことはありません。では、なぜ、こんな名が付いたのでしょうか?
 この名の由来には、いくつかの説があります。なかで、有力なのが、「本来は、麒麟草ではなく、黄輪草【きりんそう】だった」説です。
 キリンソウの花は、黄色いです。その花が、植物体のてっぺんに、輪状に付きます。だから「黄輪草」と呼んでいたのが、のちに、「麒麟草」に取り違えられた、というのです。
 紛らわしい名の植物として、アキノキリンソウ(秋の麒麟草)があります。アキノキリンソウは、キリンソウとは、まったく別種です。分類上も遠縁です。キク科に属します。
 キリンソウについては、研究者を悩ませていることがあります。分類が難しいことです。
 「キリンソウ」と呼ばれるものの中には、変異があります。この変異が、同種の中の変異に収まるのか、別種に分けたほうがよいのかで、意見が割れています。今しばらくは、キリンソウの種名や分類が、落ち着かない状態が続くでしょう。
図鑑には、キリンソウコモチマンネングサアキノキリンソウ>が掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、他種と紛らわしい名を持つ植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ウメじゃない梅がある?(2011/02/18)
雪割草【ゆきわりそう】と、ユキノシタは、違う? 同じ?(2011/02/04)
楓【かえで】? いえ、楓【ふう】の木です(2010/11/29)
桂【けい】とは、どんな植物?(2010/11/22)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2011年7月 1日 07:43に書いたブログ記事です。

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