ヒマワリは、日にしたがって回るか?

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 ヒマワリは、いかにも夏の花ですね。草ですが、低木かと思うほど大きくなります。その上に、黄色い大きな花が咲く様子は、太陽が花に化身したようです。
 多くの国で、ヒマワリは、太陽に関連した名で呼ばれます。日本語名のヒマワリ(向日葵)も、そうですね。ラテン語の学名Helianthusも、「太陽の花」の意味です。
 日本語名の「ヒマワリ」は、「日回り」に由来するといわれます。この花は、太陽の動きにしたがって、向きを変える、というのです。本当でしょうか?
 全面的に本当だとは、言えません。この花が、太陽の動きにしたがうのは、つぼみの間だけです。花が開く頃には、ほとんど動かなくなります。
 にもかかわらず、多くの国で、この花は、「太陽に従う」と信じられてきました。それにちなんだ神話や伝説もあります。有名なのは、ギリシャ神話でしょう。
 ギリシャ神話には、「太陽の花」にまつわる話があります。クリュティエーという名の妖精が、「太陽の花」に身を変えました。彼女は、太陽神アポロンに恋していました。そのため、愛しい神の姿を追って、太陽のほうを向く、というわけです。
 この「太陽の花」は、ヒマワリだとされることが多いです。けれども、それは、明らかに間違いです。なぜなら、ギリシャ神話が生まれた頃、ヨーロッパには、ヒマワリがなかったからです。ヒマワリの原産地は、北米大陸です。
 ヨーロッパにヒマワリが入ったのは、十六世紀のことです。ヨーロッパ人が、アメリカ大陸に到達した後です。日本に来たのは、十七世紀といわれます。
 では、ギリシャ神話の「太陽の花」は、何だったのでしょうか? それは、キンセンカ(金盞花)ではないかとされています。
 キンセンカには、夏の印象は、あまりありませんね。しかし、その黄金色の花は、太陽を思わせます。原産地が、ギリシャのある南ヨーロッパなのも、強力な証拠です。
 とはいえ、ヒマワリが「太陽の花」だという印象は、人類共通のようです。南米のペルーでも、ヒマワリは、「太陽の花」として、信仰の対象でした。
図鑑には、ヒマワリ
過去の記事でも、神話や伝説に関わる生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
最小の座を争う、ミソサザイとキクイタダキ(2010/07/19)
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などです。

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このページは、松沢千鶴が2011年8月26日 07:42に書いたブログ記事です。

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