小笠原諸島のトカゲたち

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 今年、二〇一一年に、日本の小笠原諸島が、世界遺産に登録されましたね。小笠原諸島には、素晴らしい自然環境があるからです。今回は、そこの生き物たちから、二種を紹介しましょう。どちらも、日本国内では、珍しい種の爬虫類です。
 小笠原諸島には、トカゲの仲間が、何種か分布します。有名なのは、オガサワラトカゲと、オガサワラヤモリでしょう。この二種は、名が似ていても、実態は違います。
 オガサワラトカゲのほうは、小笠原の固有亜種だとされます。「亜種」という点に、ご注目下さい。オガサワラトカゲは、ボウトンヘビメトカゲという種の亜種だといわれてきました。ボウトンヘビメトカゲは、太平洋の島々に、広く分布する種です。
 ところが、「オガサワラトカゲは、ボウトンヘビメトカゲとは別種だ」という意見が出てきました。だとすれば、オガサワラトカゲは、小笠原の固有種ということになります。
 いっぽう、オガサワラヤモリのほうは、小笠原の固有種でも、固有亜種でもありません。日本国内では、沖縄諸島や大東諸島にも分布します。世界的には、太平洋やインド洋の島々に、広く分布します。中米や南米にまで、分布を広げています。
 オガサワラヤモリの分布が、こんなに広いのには、理由があります。それは、彼ら(彼女ら)の繁殖方法によります。これについては、以前、ここのブログで取り上げました(雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06))。
 オガサワラヤモリは、特異な繁殖方法を生かして、今なお、分布を広げ続けています。小笠原でも、世界の他の地域でも、絶滅しそうだという話は、聞きません。
 対して、オガサワラトカゲは、絶滅が危ぶまれています。彼らが独立種だとすれば、そもそも、分布域が、とても狭いです。小笠原諸島が、唯一の分布域です。
 世界遺産になったとはいえ、小笠原は、自然の楽園ではありません。近年は、外来種の問題が大きいです。クマネズミや、グリーンアノールなどの外来種が、在来種を脅かしています。外来種が来た島では、オガサワラトカゲの数が、大きく減ったといわれます。
 世界遺産は、登録して終わりではなく、私たちの手で、守り続けなければなりませんね。

図鑑には、オガサワラトカゲ,オガサワラヤモリが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、小笠原諸島の生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
海中のオブジェ? パイプウニ(2007/11/16)
メグロはメジロと仲良し?(2007/11/12)
大洋に生きるオガサワラトカゲ(2007/11/9)
ヤシ? いいえシダの木です。マルハチ(2007/11/02)
雌(メス)しかいないトカゲがいる?(2007/03/06)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2011年9月26日 07:15に書いたブログ記事です。

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