仲間は、地球の裏側に? アケビ

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 アケビは、一定以上の年齢の方には、懐かしい食べ物かも知れませんね。日本の野山に生える、代表的な果実です。つるになる植物です。
 アケビとは、アケビ科アケビ属に属する一種です。アケビ科に属する種を、アケビと総称することもあります。この仲間は、どれも、似た果実を付けます。長円形で、皮の色が、紫っぽいことが多いです。果実は、食べられます。ほんのり甘く、美味しいです。
 日本の野山には、アケビ以外にも、アケビ科の種が分布します。ミツバアケビ、ムベなどです。どの種も、昔は、子どもが喜ぶおやつだったそうです。店で売られるのではありません。野山で取って食べるものでした。素朴で、身近な植物だったのですね。
 そんなアケビ科には、大きな謎があります。分布に関する謎です。
 アケビ科の植物は、多くが、日本を含む東アジアに分布します。それと飛び離れて、南米のチリに分布する種があります。なぜ、こんなおかしな分布なのでしょうか?
 この謎は、解かれていません。このような分布は、他の生き物でも、あまり類がありません。いったい、どうやったら、こんな分布になるのでしょう?
 私が知る範囲では、ラクダ科の分布が、アケビ科に似ています。植物ではなく、動物ですが。ラクダ科も、ユーラシア大陸と、南米大陸とに、離れて分布します。
 ラクダ科の場合は、なぜ、こんな分布になったのか、ある程度、解明されています。
 ラクダ科は、北米大陸で誕生したと考えられています。そこから、あるグループは、ユーラシアへと分布を広げました。別のグループは、南米へと分布を広げました。
 後に、故郷の北米では、ラクダ科は絶滅してしまいます。ユーラシアのグループと、南米のグループだけが、生き残りました。飛び離れた分布になったのは、そういうわけです。
 もしかしたら、アケビ科にも、こんな歴史があるのかも知れません。でも、今のところ、何の証拠もありません。北米で、アケビ科の化石でも見つかれば、面白いですね。
 アケビは、日本では、平凡な植物です。平凡でも、進化の謎を秘めています。その謎は、地球をまたにかけています。そう考えると、神秘を感じますね。
図鑑には、アケビミツバアケビムベが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、分布に謎を秘めた生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
大陸とのつながりを示す? ナミエガエル(2011/06/27)
ハブが知る? 南西諸島の成立の秘密(2010/11/05)
ヨーロッパ独りぼっち? レンギョウ(2010/03/12)
生き別れの親類が再会? ヤマボウシとハナミズキ(2008/05/19)
大山椒魚(オオサンショウウオ)は冬眠しない?(2007/02/05)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2011年10月14日 07:22に書いたブログ記事です。

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