シンビジウムは、シュンラン(春蘭)の仲間か?

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 明けましておめでとうございます。さて、今日は冬の花屋さんを覗いてみましょう。華やかなのに、驚きます。温室で育てられた花が、たくさん売られています。中で、華麗さを誇るのが、洋蘭の仲間ですね。
 洋蘭と呼ばれるランには、非常に多くの種類があります。その一つに、シンビジウムと呼ばれるグループがあります。シンビデュームなどとも呼ばれます。
 シンビジウムとは、一種だけを指す名ではありません。ラン科シンビジウムCymbidium属に属する種の総称です。シンビジウムという名は、ラテン語の学名Cymbidiumを、英語風に読んだものです。ラテン語では、キンビディウムという感じの発音になります。
 シンビジウム属は、日本語名で、シュンラン属と呼ばれます。日本に自生するシュンランや、カンラン(寒蘭)も、この属に属します。
 こう書くと、驚く方がいるでしょう。シンビジウムといえば、派手な「洋蘭」を代表するグループですね。対して、シュンランやカンランは、「東洋蘭」と呼ばれます。東洋蘭は、とても地味です。わび・さびを体現した花、といえます。
 こんなに違うもの同士が、近縁なのですね。外見の印象が、分類上の近縁さを示すとは限りません。洋蘭・東洋蘭といった区別も、あくまで、文化上の慣習です。シュンラン属のように、同じ属でも、洋蘭と東洋蘭とに分けられることもあります。
 洋蘭のシンビジウムは、原産地が東南アジアです。ミャンマー、タイ、ベトナムなど、熱帯地方に自生します。それらの原種が、ヨーロッパに持ち込まれ、交配されて、華麗な栽培品種が作られました。ヨーロッパで品種改良されたために、洋蘭と呼ばれます。
 いっぽう、東洋蘭とされるシュンラン属は、日本、中国、台湾に自生するものです。シュンラン、カンラン、ホウサイラン(報歳蘭)などの種です。これらの種も、地味でも、観賞用に栽培されます。一部に、たいへん熱心なファンがいます。
 東洋蘭は、一時期、熱心すぎる人々によって、乱獲されました。このために、野生では、ほとんど絶滅している種もあります。今は、もはや、野生のものを、むやみに取れる時代ではありません。栽培品種だけでなく、野生種も残したいですね。
図鑑には、シュンランが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、ラン科の植物を取り上げています。また、ラン科と紛らわしい植物も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カトレヤは、雑種だった?(2011/01/03)
イトランは、ランの仲間か?(2010/12/27)
スズラン(鈴蘭)は、ランではない?(2010/05/07)
イグ・ノーベル賞のバニラ【Vanilla】の研究とは?(2007/10/18)
ベトナムで、新種の発見ラッシュ(2007/09/27)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2012年1月 2日 07:00に書いたブログ記事です。

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