アマエビ? いえ、ホッコクアカエビです

user-pic
0

ico_weather_hare.gif

 生き物の中には、普段、使われる名前と、正式な種名とが、違うものがあります。今回は、そのような一種を取り上げましょう。ホッコクアカエビです。エビの一種です。
 ホッコクアカエビという名を、ほとんどの方は、聞いたことがないでしょう。しかし、おそらく、多くの方が、食卓で見た経験があるはずです。この種は、アマエビ(甘エビ)という名で呼ばれることが多いです。
 アマエビならば、寿司や刺身のネタとして、知られますね。身に甘みがあるため、甘エビと呼ばれます。正式な日本語の種名(標準和名)は、ホッコクアカエビです。
 図鑑などで調べる場合は、「ホッコクアカエビ」という標準和名を知らないと、探すのに苦労します。けれども、寿司屋で注文する場合は、「アマエビ」でないと、通じないでしょう。場合ごとに、使い分ける必要があります。
 私たちが食べているホッコクアカエビは、すべて雌(メス)です。この種には、雌しかいないのでしょうか? そんなことはありません。ちゃんと雄(オス)もいます。ただ、食用にされるサイズのホッコクアカエビは、すべて雌です。
 サイズという言葉が出ましたね。ここに、鍵があります。ホッコクアカエビの雌は、必ず、雄より大型です。食べるほどのサイズになるのが、雌ばかりということです。
 なぜ、そうなるのでしょうか? それは、ホッコクアカエビが、雄から雌へと性転換するからです。小さいうちは雄で、大きくなると、雌に変わります。
 このエビは、11年くらい生きると考えられています。その寿命のうち、だいたい、4歳までは雄です。5歳になると、多くの個体が、雌へと性転換します。6歳以降は、雌として生きます。このデータは、日本海に棲むホッコクアカエビの場合です。
 ホッコクアカエビは、タラバエビ科に属します。この科の種には、食用になるものが多いです。トヤマエビ、ボタンエビ、ホッカイエビ、モロトゲアカエビ、ホンホッコクアカエビなどの種です。市場に出回る「アマエビ」には、モロトゲアカエビや、ホンホッコクアカエビが混じることがあるそうです。

過去の記事でも、エビの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
そっくりさんがいっぱい、スジエビ(2010/02/01)
平たい体は何のため? ウチワエビ(2008/12/19)
おせち料理の海老【えび】はクルマエビ?(2007/01/11)
海中のサンタクロースはエビ?(2006/12/10)
脚があるのに歩かない? サクラエビ(2006/03/27)
などです。

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2012年2月27日 07:25に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ウメ」です。

次のブログ記事は「フクジュソウ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。