アオサギ 画像
和名:アオサギ
学名:Ardea cinerea
沖縄 豊見城【2012.05.11】
図鑑には、アオサギが掲載されています。ぜひご利用下さい。
2012年5月アーカイブ
シラン 画像
和名:シラン
学名:Bletilla striata (Thunb. ex Murray) Rchb.f.
東京 港区【2012.05.18】
図鑑には、シランが掲載されています。ぜひご利用下さい。
昆虫の中で、カブトムシやクワガタムシには、人気がありますね。大型なうえに、角や大顎【おおあご】などの、立派な装備があるからです。
カブトムシやクワガタムシの餌場といえば、クヌギ林ですね。彼らは、クヌギの樹液がしみ出ているところに、集まります。樹液をなめに来るのですね。
見た目どおり、彼らは強いです。餌場の争いでは、最強の部類に入ります。このため、樹液の餌場では、たいてい、一番良い場所に陣取っています。
ところが、大きくて、立派な装備を持つことばかりが、有利とは限りません。
クヌギの樹液に来る昆虫たちの中に、キスイムシ(木吸虫)と呼ばれるグループがいます。「○○キスイ」という種名が付くものたちです。甲虫目【こうちゅうもく】の中の、キスイムシ科、オオキスイ科、ケシキスイ科などに属します。
ヨツボシオオキスイという種を、例に挙げてみましょう。オオキスイ科の一種です。この種は、カブトムシやクワガタムシより、ずっと小さいです。体の長さは、2cmもありません。そのうえ、体の厚さが薄いです。平べったいのですね。
ヨツボシオオキスイは、この体の薄さや小ささを、存分に利用します。カブトムシやクワガタムシなど、大きくて強い昆虫たちの間や、体の下に、もぐり込むのです。そうして、餌場の良い場所を、ちゃっかり占めています。
そんなことをされて、カブトムシやクワガタムシは、怒らないのでしょうか? 積極的に、ヨツボシオオキスイが追い払われたという話は、ほとんど聞きません。
おそらく、ヨツボシオオキスイの小ささが、幸いしています。小さければ、食べる量も少ないです。大きな昆虫にすれば、横取りされても、大した量ではないのでしょう。
オオキスイ科の昆虫は、日本では、三種しか確認されていません。中で、ヨツボシオオキスイは、普通に見られる種です。成虫だけでなく、幼虫も、クヌギの樹液に頼って生きています。けれども、幼虫の生活については、まだ、よくわかっていないようです。
小さくても、したたかなヨツボシオオキスイの生き方は、真似したくなりますね。
図鑑には、ヨツボシオオキスイ,ヨツボシケシキスイなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、クヌギの樹液に集まる昆虫を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
クヌギは、昆虫のレストラン?(2010/07/30)
オオスズメバチ(2009/07/08)クヌギの樹液を吸う画像
昆虫にも「ミミズク」がいる?(2007/07/09)
などです。
セイヨウミツバチ 画像
和名:セイヨウミツバチ
学名:Apis mellifera
東京 港区【2012.05.08】
図鑑には、セイヨウミツバチが掲載されています。ぜひご利用下さい。
アジサイがもう咲いていました。 ガクアジサイ 画像
和名:ガクアジサイ
学名:Bletilla striata (Thunb. ex Murray) Rchb.f.
東京 港区【2012.05.25】
図鑑には、ガクアジサイが掲載されています。ぜひご利用下さい。
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ブルーベリーという果物がありますね。どこのスーパーの棚にも、イチゴのジャムと並んで、ブルーベリーのジャムがあります。ブルーベリーは、イチゴの仲間でしょうか?
違います。ブルーベリーは、ツツジ科スノキ属に属します。イチゴ(オランダイチゴ)は、バラ科オランダイチゴ属ですから、縁が遠いです。
じつは、ブルーベリーと呼ばれる植物は、一種だけではありません。十種以上もあります。それらのうち、普通に食用にされるのは、四、五種です。
どの種も、正式な日本語名(標準和名)は、付いていない状態です。種名の整備が進む前に、食用として普及してしまいました。そのため、ブルーベリーという英語名が、標準和名のように使われています。
栽培されているブルーベリーには、複数の種を交配して作られた、栽培品種が多いです。栽培品種には、大きく分けて、三つの系統があります。ローブッシュ系、ハイブッシュ系、ラビットアイ系です。それぞれ、違う野生種を元に、作られた栽培品種です。
ローブッシュ系のブルーベリーは、英語名をローブッシュ・ブルーベリーという種から作られました。ハイブッシュ系と、ラビットアイ系も、おのおの、ハイブッシュ・ブルーベリー、ラビットアイ・ブルーベリーという英語名の種から、作られました。
ややこしいことに、ハイブッシュ・ブルーベリーと呼ばれるものには、複数の種が含まれます。中で、最もよく食用にされるのは、ラテン語の学名を、Vaccinium corymbosumという種です。ハイブッシュ系の栽培品種は、この種を元に作られました。
厳密にいえば、ブルーベリーと呼んでいいのは、ツツジ科スノキ属のうち、北米大陸に原産する、あるグループだけです。けれども、スノキ属の種は、ヨーロッパや、アジアにも分布します。これらの種が、ブルーベリーと呼ばれることもあります。
日本にも、ブルーベリーと近縁な種が自生します。スノキ、クロマメノキなどです。これらの果実も、美味しいそうです。しかし、日本のスノキ属の種は、栽培されることはありません。野山のおやつにとどまっています。
図鑑には、ハイブッシュブルーベリーなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、さまざまな果物を取り上げています。また、野山のおやつになる植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
甘柿と渋柿とがあるのは、なぜ?(2011/11/11)
仲間は、地球の裏側に? アケビ(2011/10/14)
スイカの故郷は、どこ?(2011/09/02)
グミと茱萸とは、同じ? 違う?(2008/10/13)
などです。
哺乳類の中で、鳥のように飛べるものと言えば? コウモリですね。空を飛べるのは、とても有利なことです。遠距離を移動しやすいです。
鳥の多くが、渡りをするのは、知られていますね。同種の鳥が、大陸と日本とを往復することが、珍しくありません。同じことが、コウモリにも、あるのでしょうか?
これについては、よくわかっていません。そもそも、コウモリの仲間は、分布域がはっきりわかっている種が、少ないのです。
例えば、クロホオヒゲコウモリという種がいます。この種は、日本固有種です。世界中で、日本にしか、分布しません。日本国内でも、本州と四国のごく一部にしか、分布しないと考えられています。確認された例が、とても少ないからです。
対して、ノレンコウモリという種がいます。この種は、日本だけでなく、ユーラシア大陸に、広く分布します。分布は、アフリカ北部にまで及びます。日本国内では、北海道から九州まで、断続的に分布します。どこにでもいる種ではありません。
クロホオヒゲコウモリと、ノレンコウモリとは、近縁です。同じヒナコウモリ科ホオヒゲコウモリ属に属します。近縁な種同士で、なぜ、こんなに分布の仕方が違うのでしょうか? どちらも、飛べることは、同じですのに。この謎は、解けていません。
同種の中で、分布に謎があるものもいます。例えば、コヤマコウモリが、そうです。
コヤマコウモリは、日本では、青森県、岩手県、福島県でしか、見つかっていません。海外では、台湾やユーラシア大陸に、同種が分布するのではないかといわれます。
ところが、ユーラシア大陸に分布するユーラシアコヤマコウモリと、日本のコヤマコウモリとは、同種なのか、別種なのか、意見が分かれています。別種であれば、日本のコヤマコウモリは、クロホオヒゲコウモリと同じく、日本固有種かも知れません。
ここに挙げた三種のコウモリは、日本国内での分布が限られています。ノレンコウモリのように、分布域がとても広い種でも、国内では、限られた範囲でしか、見つかっていません。なぜなのでしょうか? コウモリの仲間の分布は、謎だらけです。
図鑑には、クロホオヒゲコウモリなど日本のコウモリが十六種が掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、コウモリの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
コウモリは、なぜ冬眠するか?(2012/01/09)
オガサワラオオコウモリは、小笠原唯一の哺乳類?(2009/10/26)
どれがどの種? コウモリ(蝙蝠)の和名(2009/06/08)
引越しは嫌い? ヒナコウモリ(2008/09/19)
虚々実々の駆け引き、ガ(蛾)対コウモリ(2007/07/13)
などです。
イチリンソウ(一輪草)という種名の植物があります。名のとおり、一本の茎に、一輪の花を付けます。イチリンソウの近縁種で、ニリンソウ(二輪草)と、サンリンソウ(三輪草)という植物もあります。
ニリンソウとサンリンソウも、名のとおり、一本の茎に、二輪や三輪の花を付けるのでしょうか? そうとは限りません。この二種は、花の数が、一定しません。一輪から四輪くらいまで、花の数には、幅があります。
正式名称(標準和名)を、ヨンリンソウ(四輪草)やゴリンソウ(五輪草)という植物は、ありません。六、七、八輪もなくて、クリンソウ(九輪草)があります。
クリンソウは、イチリンソウの仲間とは、遠縁です。イチリンソウの仲間が、キンポウゲ科なのに対して、クリンソウは、サクラソウ科です。園芸植物の、プリムラと呼ばれるものに近縁です。姿も、園芸種のプリムラ・マラコイデスなどに似ています。
クリンソウのラテン語の学名は、Primula japonicaです。直訳すれば、「日本のサクラソウ」です。日本に自生するサクラソウ科サクラソウ属の一種です。
日本原産のサクラソウ属の中で、クリンソウが、最も美しい種といわれることがあります。日本を代表して「日本のサクラソウ」の学名が付いたのは、そのためでしょうか。
クリンソウの花は、一本の茎に、九輪、付くのでしょうか? これも、そうとは限りません。そもそも、「九輪」とは、「花が九輪」の意味ではないといいます。
九輪草の九輪とは、仏教建築に使われる「九輪」の意味だそうです。
お寺に行くと、五重塔や三重塔などの仏塔があることがありますね。ああいう塔のてっぺんには、細長い棒状のものが付いています。あれを、九輪【くりん】と呼びます。
仏塔の上の九輪は、高い所にあるため、形が見えにくいです。けれども、よく見ると、九つの輪が連なっています。クリンソウの花の姿が、この九輪に似るというのですね。
クリンソウの花は、確かに、輪状に付きます。しかし、仏塔の九輪ほど、細長くはなりません。名づけた人は、クリンソウの花に、仏塔のような崇高さを見たのでしょうか。
図鑑には、クリンソウなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、サクラソウ科サクラソウ属の植物を取り上げています。また、キンポウゲ科のイチリンソウの仲間も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
雪割草【ゆきわりそう】と、ユキノシタは、違う? 同じ?(2011/02/4)
サクラソウとプリムラは、同じ? 違う?(2008/04/07)
イチリンソウは日本のアネモネ(2007/03/23)
などです。
カナダオダマキ 画像
和名:カナダオダマキ
学名:Aquilegia canadensis
東京 新宿区【2012.04.18】
図鑑には、日本のヤマオダマキが掲載されています。ぜひご利用下さい。
アワビは、日本人にお馴染みの貝ですね。高級食材として、有名です。以前、このブログで、アワビについて取り上げました(アワビという種名の貝はいない?(2008/1/14))。
一般庶民には、なかなか、アワビは口に入りませんね。ところが、アワビよりずっと安くて、アワビに似た味の貝がいるというのです。日本の磯に、普通に棲む貝です。
ただし、その貝は、魚屋では売られません。入手するなら、自分で磯に行って、取ってくるしかありません。値段はただですが、手間がかかります。
それは、ヒザラガイという貝の仲間です。アワビとは、遠縁です。巻貝ではありません。二枚貝でもありません。ヒザラガイの仲間は、多板綱【たばんこう】という、独自のグループにまとめられています。ヒザラガイ綱【こう】と呼ばれることもあります。
普通のヒザラガイは、全体的に、わらじのような形をしています。背中に、八枚の小さな貝殻が並んでいます。大きさは、数cmしかないものが、ほとんどです。
この小ささが、問題です。食べる部分が、ごく少ないのです。加えて、彼らは、磯の岩に、がっちりと付いています。「苦労して取って、食べでがない」のでは、いくら美味しくても、取る気になれませんよね。
中には、例外があります。オオバンヒザラガイという種は、よく食べられていました。この種は、長さ25cmにもなります。この大きさのために、食べでがあるわけです。
オオバンヒザラガイは、日本では、北海道に分布します。かつて、アイヌの人たちは、この種を食用にしました。アイヌ語では、ムイ、メヨ、ケロなどと呼ばれるそうです。現在は、あまり一般的な食べ物ではないようです。
アイヌの民話に、オオバンヒザラガイが登場します。それによれば、オオバンヒザラガイは、アワビと仲が悪く、そのために、棲む場所を分けるようになったといいます。
この民話は、オオバンヒザラガイと、アワビとの分布の違いを、説明したものです。実際には、生態の違いによって、棲む場所が分かれています。身近な食べ物だっただけに、オオバンヒザラガイも、アワビも、よく観察されたのでしょう。
図鑑には、ヒザラガイなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、ヒザラガイを取り上げています。また、ヒザラガイのように、アイヌの物語に登場する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
貝の執念、岩をも削る? ヒザラガイ(2010/05/24)
神話に彩られたヒエ(稗)の起源(2011/09/16)
北国の魔法の植物? イケマ(2010/01/01)
などです。
ムラサキケマン 画像
和名:ムラサキケマン
学名:Corydalis incisa (Thunb.) Pers.
東京 新宿区【2012.04.18】
図鑑には、ムラサキケマンなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
果物のイチゴは、誰もが知っているでしょう。あのイチゴは、正式な日本語名(標準和名)を、オランダイチゴといいます。なぜ、オランダかといえば、江戸時代に、オランダ経由で、日本に紹介されたからです。
わざわざ、「イチゴ」に「オランダ」を付けたのは、それまで「イチゴ」と呼ばれていたものと、区別するためです。では、オランダイチゴが入る前、日本で「イチゴ」と呼ばれていたのは、何という植物でしょうか?
それは、キイチゴ(木苺)の仲間です。現在では、普通、オランダイチゴを「イチゴ」と呼びますので、区別のために、「キ」イチゴと呼ばれるようになりました。
キイチゴの仲間には、たくさんの種があります。有名なのは、モミジイチゴ、フユイチゴ、ナワシロイチゴ、クサイチゴなどの種です。どれも、草と見紛う低木です。クサイチゴという種名でも、草ではなく、木です。対して、オランダイチゴは、草なんですね。
キイチゴの仲間は、バラ科キイチゴ属に属します。オランダイチゴは、バラ科オランダイチゴ属に属します。同じバラ科ですので、近縁だといえます。
オランダイチゴは、人工的に作られた栽培種です。野生のものは、ありません。キイチゴ属にも、栽培化されたものがあります。例えば、ラズベリーや、ブラックベリーです。どちらも、外国が原産ですね。日本では、キイチゴといえば、野山のものです。
キイチゴを御存知の方なら、ヘビイチゴも御存知ですね? キイチゴと同じく、野にある「イチゴ」です。が、普通は、食べられません。ヘビイチゴは、キイチゴとも、オランダイチゴとも、違います。バラ科ヘビイチゴ属に属する一種です。
ヘビイチゴには、「毒がある」といわれることがあります。それは、間違いです。食べても、害はありません。ただ、まずいために、食べないそうです。
紛らわしいことに、オランダイチゴやキイチゴに近縁でなくても、「イチゴ」と名の付く植物があります。例えば、ヤナギイチゴです。この種は、イラクサ科ヤナギイチゴ属に属します。単純に、果実がキイチゴに似るために、「イチゴ」の名が付いたようです。br>図鑑には、オランダイチゴなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、さまざまな果物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
甘柿と渋柿とがあるのは、なぜ?(2011/11/11)
スイカの故郷は、どこ?(2011/09/02)
ミカン? いえ、カラタチです(2009/02/13)
ザクロが人肉の味というのは、本当?(2007/09/28)
チンパンジーの贈り物はパパイア?(2007/09/13)
などです。
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クサイチゴ 画像
和名:クサイチゴ
学名:Rubus hirsutus Thunb.
東京 新宿区【2012.04.18】
図鑑には、クサイチゴなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
フキ 画像
和名:フキ
学名:Petasites japonicus (Siebold & Zucc.) Maxim.
東京 新宿区【2012.04.18】
図鑑には、フキが掲載されています。ぜひご利用下さい。
皆さんは、鳥の足を、じっくり見たことがありますか? 鳥を飼っている方でもない限り、そのような機会は、少ないでしょう。
そもそも、鳥の足の指は、何本でしょうか? これは、種によって違います。大部分の鳥の足の指は、四本です。例外的に、五本指、三本指、二本指の種がいます。
ここまで、鳥の足の指を、「指」と書いてきました。けれども、専門的には、鳥の足の指には、別の漢字を使います。趾【ゆび】という字です。以下は、この字を使いますね。
同じ四本趾でも、趾の付き方が、種によって違います。最も多いのは、「前向きに三本趾が付いていて、後ろ向きに一本趾が付いている」形です。
スズメも、カラスも、ニワトリも、このような形の足をしています(一部のニワトリの品種を除きます)。この形の足を、三前趾足【さんぜんしそく】といいます。三前趾足は、地上を歩くにも、木の枝などに止まるにも、都合が良い足です。
オウムや、インコを飼っている方は、飼い鳥の足を御覧下さい。三前趾足ではありませんよね? 前向きに二本、後ろ向きに二本、趾があるはずです。このような形の足を、対趾足【たいしそく、または、ついしそく】と呼びます。
対趾足は、木の枝や幹に止まるのに、都合が良い足です。このために、主に樹上で暮らす鳥の足が、対趾足になっています。キツツキ、オウム、フクロウなどです。
対趾足の鳥は、野生の状態では、めったに地上に降りません。フクロウが獲物を捕らえる時など、やむを得ない場合だけです。対趾足では、地上を歩きにくいからです。
「うちのオウムやインコは、床を平気で歩くぞ」という方が、いらっしゃるでしょう。飼い鳥の行動は、野生の鳥とは違います。ですから、単純に比較できません。
三前趾足、対趾足以外に、皆前趾足【かいぜんしそく】という足もあります。四本の趾すべてが、前向きに付く足です。アマツバメなどが、そうです。皆前趾足は、何かにしがみつくのに適した足です。アマツバメは、崖にしがみつくのに、この足を使います。
足の形によって、鳥の暮らしぶりがわかります。便利にできていますね。
図鑑には、対趾足のアオバズク、アカゲラ、皆前趾足のアマツバメなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、鳥の足について取り上げています。また、今回の記事に登場する鳥も取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
カモ? いえ、カイツブリです(2011/12/19)※カイツブリの足は、特殊な弁足【べんそく】という足です。
ノグチゲラは、キツツキ科か?(2010/01/04)
街中のキツツキ? コゲラ(2009/01/12)
バンの画像(2008/10/16)※鳥の足の形が、はっきりわかる画像です。三前趾足【さんぜんしそく】です。
アマツバメは世界最速の鳥?(2007/10/15)
などです。
生き物の名前は、特徴を表わしたものが付けられることが、多いですね。理想的には、そのうえ、印象に残りやすい名前であることが、望ましいです。
望ましい種名の一つに、オドリコソウ(踊子草)が挙げられると思います。シソ科オドリコソウ属の一種です。踊子という言葉の響きが、印象深いですね。
オドリコソウの名は、花の形から付けられました。花は、茎から立ち上がるように咲きます。踊子と言われれば、そう見えなくもありません。しかも、茎に輪状に付くため、輪になって踊っているようです。日本の土着種らしく、盆踊りふうです(笑)
同じシソ科オドリコソウ属に、ヒメオドリコソウという種もあります。「ヒメ」の名のとおり、花も、葉も、オドリコソウより小さいです。花の付き方は、茎の横に付き出るようです。こちらは、あまり、踊子っぽくありません。
オドリコソウに似た花が咲く草として、タツナミソウ(立浪草)があります。やはり、茎から立ち上がるように、花が咲きます。花の形も似ています。専門的には、唇形花【しんけいか】と呼ばれる花です。唇【くちびる】を開いた形に見えるからです。
タツナミソウと、オドリコソウが似るのは、道理です。この二種は、同じシソ科に属します。ただし、タツナミソウのほうは、シソ科のタツナミソウ属です。
タツナミソウも、良い名だと思いますね。特徴を表わしているからです。並んで咲く唇形花を、浮世絵に描かれた波に見たてました。シソ科タツナミソウ属の種は、どれも似た花が付きます。オカタツナミソウなどの種があります。
オドリコソウや、タツナミソウの唇形花には、どんな意味があるのでしょうか? 花ですから、花粉を運んでもらうために、運び手を呼び込まなくてはなりません。唇形花の場合は、主に、ハナバチの仲間を呼び込んでいるようです。
唇形花の「唇」に似た部分は、ハナバチが、花に止まる足場を提供します。そこから、喉【のど】のように伸びた奥に、花の蜜があります。ハナバチが奥へもぐりこむ時、花粉が付けられます。花の形には、ちゃんと意味があるのですね。< br />図鑑には、オドリコソウ、ヒメオドリコソウ、タツナミソウなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。
過去の記事でも、シソ科の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
<アキノタムラソウは、タムラソウと近縁か?(2011/09/09)
日本にも、タイムが生える?(2011/06/10)
地獄の釜の蓋【じごくのかまのふた】とは、どんな植物?(2011/03/25)
植物の世界は、「虎の尾」だらけ?(2009/11/16)
セキヤノアキチョウジとは、どんな意味?(2008/09/05)
などです。
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ハナカイドウ 画像
和名:ハナカイドウ
学名:Malus halliana Koehne
東京 新宿区【2012.04.18】
図鑑には、ハナカイドウが掲載されています。ぜひご利用下さい。
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セグロセキレイ 画像
和名:セグロセキレイ
学名:Motacilla grandis
東京 新宿区【2012.04.18】
図鑑には、セグロセキレイが掲載されています。ぜひご利用下さい。