マルバ? ホソバ? シャリンバイの亜種とは?

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 日本の海岸沿いに、よく自生する木として、シャリンバイ(車輪梅)があります。東北以南の日本に分布します。せいぜい、高さ4mくらいまでの低木です。
 種名に「梅」が付いても、ウメの一種ではありません。バラ科シャリンバイ属に属します。ウメは、バラ科サクラ属です。同じバラ科なので、近縁だとはいえます。
 日本では、古くから、シャリンバイが栽培されてきました。五月頃に咲く白い花が、美しいからです。秋から冬には、黒紫色の果実がみのります。花や果実のない季節にも、つやのある葉が、一年じゅう、美しいです。シャリンバイは、常緑樹だからです。
 シャリンバイの葉の形には、個体ごとに変異があります。細長い形をしたものと、円い形をしたものとに分けられます。細長い形のものを、タチシャリンバイと呼び、円い形のものを、マルバシャリンバイと呼びます。
 タチシャリンバイと、マルバシャリンバイとは、それぞれ、亜種として分けられることがあります。が、「亜種として、分けるほどではない」という意見が、有力です。
 タチシャリンバイより、もっと細長い葉の付く個体もあります。そのような個体は、南西諸島の海岸沿いに自生します。これらの個体は、ホソバシャリンバイという亜種として、分けられています。これを亜種とするには、異論は、ほとんどないようです。
 じつは、シャリンバイという種の分類自体に、定まっていないところがあります。海外に分布する「シャリンバイ」と、日本のシャリンバイとが、同種なのか別種なのか、わかっていません。別種であるにしても、同じシャリンバイ属で、近縁なのは確かです。
 「同種」説では、東北以南の日本と、海外の東アジア南部、東南アジアなどに分布する「シャリンバイ」が、すべて同一の種だとされます。
 「別種」説では、日本のシャリンバイと、海外の「シャリンバイ」とが、別種だとされます。この場合、海外のものは、種名を、「モッコクモドキ」とされることが多いです。
 同種にせよ別種にせよ、シャリンバイの分布の北限は、日本の東北地方です。東北のシャリンバイは、あの大津波にも負けず、今年も、花を咲かせたと聞いています。
図鑑には、シャリンバイが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、海岸近くに生える植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
キリンソウの名の由来は?(2011/07/01)
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このページは、松沢千鶴が2012年10月12日 07:07に書いたブログ記事です。

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