ヒョウタンボクに、ヒョウタンは実らない?

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 動植物には、紛らわしい種名のものが、少なくありませんね。例を挙げてみましょう。
 植物のヒョウタン(瓢箪)と、ヒョウタンボク(瓢箪木)です。種名だけ聞くと、まるで、ヒョウタンボクにヒョウタンが実るようですね。ところが、実際は、違います。
 ヒョウタンは、ウリ科ユウガオ属に属する、ユウガオ(夕顔)という種の、変種です。つる植物です。つるから、あのヒョウタンが、ぶらぶらと実ります。
 ヒョウタンボクのほうは、スイカズラ科スイカズラ属に属する、キンギンボク(金銀木)という種です。つるではなく、木です。キンギンボクの別名が、ヒョウタンボクです。
 なぜ、ヒョウタンと近縁でもないのに、ヒョウタンボクなどという名が付いたのでしょうか? キンギンボクの果実は、二つがくっついて、ヒョウタン状になるからです。
 ただし、この種の果実は、ヒョウタンよりずっと小さいです。色も赤くて、サクランボのようです。実物を見れば、ヒョウタンと混同することは、まず、ありません。
 キンギンボクという種名は、なぜ、付いたのでしょうか? これは、花の色に、白と黄色の二色があるからです。白と黄色を、銀と金にたとえたのですね。花は、咲き始めが白くて、次第に黄色くなります。このために、二色の花があるわけです。
 「花が、白から黄色になる」点で、キンギンボクは、同じ科のスイカズラに似ます。スイカズラのほうには、キンギンカ(金銀花)という別名があります。
 キンギンボクに近縁な種で、イボタヒョウタンボクというものもあります。同じスイカズラ科スイカズラ属に属します。花も果実も、キンギンボクに似ています。
 けれども、イボタヒョウタンボクの花は、最初から黄色です。果実は、二つが隣り合って、ヒョウタン状に見えます。が、合着してはいません。
 イボタヒョウタンボクのイボタとは、何に由来するのでしょうか? これは、葉が、イボタノキという植物に似るからです。とはいえ、イボタノキと、イボタヒョウタンボクとは、近縁ではありません。イボタノキは、モクセイ科イボタノキ属に属します。
 動植物は、遠縁なのに、似た種名が付くことが多いです。ややこしいですね。

図鑑には、スイカズラ, イボタヒョウタンボクが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、紛らわしい種名の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
イチゴ(苺)にも、いろいろあります(2012/05/11)
謎の種名、ショウマ(升麻)とは?(2011/11/28)
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などです。

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このページは、松沢千鶴が2012年10月26日 07:34に書いたブログ記事です。

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