ギリシア神話にも登場、クルミ(胡桃)

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 秋は、実りの季節ですね。さまざまな果実が実ります。それらの中から、今回は、クルミの仲間を取り上げましょう。有名なナッツ(堅果【けんか】)ですね。
 クルミとは、クルミ科クルミ属に属する種の総称です。正式な種名を「クルミ」という種は、ありません。日本には、オニグルミ、ヒメグルミなどの種が分布します。
 クルミ属の種は、ユーラシア大陸にも、広く分布します。どの種も、みな、似た果実を付けます。あの、殻に包まれた「クルミ」です。実際に、木に実っている時には、あの殻の上に、柔らかい果皮がかぶさっています。
 果実の姿が似るばかりではありません。食用になることも、ほとんどの種で、同じです。どこの地域でも、クルミが分布する所では、貴重な食料とされました。
 クルミは、果実以外も、役に立ちます。木材も、良質な物として、喜ばれます。クルミ材も、これまた、世界各地で、利用されています。
 クルミ材に関しては、ギリシャ神話に、面白い話があります。
 古代ギリシャの地に、カリュアという名の娘がいました。人間ではなく、ニンフと呼ばれる妖精だったといわれます。彼女は、酒の神ディオニュソスの恋人になりました。ところが、何の原因でか、彼女は、早死にしてしまいました。
 悲しんだディオニュソスは、彼女を、クルミの木に変えます。やがて、カリュアの姿をしのんで、クルミの木から、若い女性の姿を刻みだすようになりました。そのような女性像は、カリアティードと呼ばれました。むろん、カリュアにちなんだ呼び名です。
 西洋美術に詳しい方なら、カリアティードは、御存知でしょう。ギリシャ風建築の柱として、よく使われます。現在は、石で作ったカリアティードが多いですが、元来は、クルミの材で作られたようです。
 この神話が先にあって、カリアティードが生まれたというより、女性像のほうが先にあって、それを説明するために、カリュアの神話が作られたのではないでしょうか。
 平凡な果樹にも、神話を見出す古代人の想像力は、素敵ですね。

図鑑には、オニグルミが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、ギリシャ神話に登場する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヒマワリは、日にしたがって回るか?(2011/08/26)
海の毛虫も蝶(チョウ)になる? ウミケムシ(2010/03/15)
そっくりさんがいっぱい、スジエビ(2010/02/01)
クラゲと付いてもクラゲでない? ツノクラゲ(2006/07/29)
不毛の愛に身をやつす? 水仙(スイセン)(2006/01/06)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2012年11月 9日 07:36に書いたブログ記事です。

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