ノボロギクは、キオン属か? サワギク属か?

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 今の季節、野外で咲く花は、ほとんどありませんね。たまに、小さな花でも咲いていると、心が和みます。ノボロギクが、そんな植物の一種です。
 ノボロギクは、日本中で見られる草です。関東以南などの温暖な地方では、一年じゅう、花を咲かせます。雪国では、春から夏にかけて、花が咲きます。
 ノボロギクの花は、決して派手ではありません。黄色く、小さい花です。完全に開いた状態でも、つぼみのように見えます。形が細長く、先の方だけ黄色いからです。
 こんな花でも、冬に咲いてくれるのは、ありがたいと思います。けれども、ノボロギクについては、手放しで喜べない事情があります。この種が、外来種だからです。
 ノボロギクの原産地は、ヨーロッパです。現在では、世界じゅうの温帯地域に分布しています。日本には、明治時代の初期に入ったといわれます。
 世界中で繁栄しているのは、ノボロギクの生命力が強いからです。畑に入り込むと、厄介な雑草になります。このために、花が咲いたからといって、喜べないわけです。
 今の日本では、ノボロギクは、おそらく、最も普通に見られる草の一種です。住宅地に多いです。山奥では、逆に見られません。人が運んだ外来種だからです。
 ところで、ノボロギクとは、変わった種名ですね。この名は、「サワギクという別の種に由来する」説が有力です。サワギクとは、もともと、日本に分布するキク科の一種です。この種の別名に、「ボロギク」という名があります。
 かつて、サワギクとノボロギクとは、同じキク科サワギク属に属するとされていました(サワギク属には、キオン属という別名がありました)。このため、後から来た外来種に名を付ける時、近縁な在来種にちなんで「ノボロギク」とされたようです。
 ところが、後に、キオン属とサワギク属とは、別の属として分けられることになりました。現在では、ノボロギクは、キク科キオン属に属するとされます。サワギクのほうは、キク科サワギク属です。同じキク科なので、近縁なのは、間違いありません。
 日本の在来種では、キオン属には、キオン、ハンゴンソウなどの種が属します。
図鑑には、ノボロギク,サワギク,キオンなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、外来種の植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
属名で混乱中、ヒエンソウ(飛燕草)の仲間たち(2011/05/27)
シャガは、「日本のアイリス」か?(2011/04/22)
オオイヌノフグリは、妖精の花?(2011/03/18)
じつは外来種です、キショウブ(2009/04/24)
「朝顔」は、謎の植物?(2008/07/21)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2012年12月28日 07:16に書いたブログ記事です。

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