マツバランは、陸上植物の祖先か?

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 「地球上の生命は、海で生まれた」といわれていますね。最初、地球の陸上には、まったく生命はいなかったと考えられています。植物も、動物も、海から陸へと進出したことは、まず間違いありません。先に上陸したのは、植物のほうでした。
 初めて陸に上がった植物には、花は咲きませんでした。当然、果実もみのりません。
 「原始的な植物には、花は咲かない」と、聞いたことがありませんか? これは、正しいです。原始的とされるシダ植物などには、花は咲かず、果実も付きません。大昔の植物の性質を、残しているのですね。
 最初期の陸上植物には、花だけでなく、葉もありませんでした。根もありません。あるのは、茎だけです。地中に地下茎を伸ばし、地上に茎を伸ばして、体を支えました。
 茎ばかりの植物なんて、殺風景に感じますね。こんな植物は、今でもあるのでしょうか?
 あります。日本に分布する植物の中では、マツバランが、そうです。
 マツバランは、マツバラン科マツバラン属の一種です。大きな分類グループとしては、シダ植物門に入れられています。とはいえ、普通のシダ植物とは、ずいぶん違います。
 マツバランには、葉も根もありません。普通のシダ―例えば、ワラビなど―には、葉と根とは、ありますよね。マツバランは、葉や根が発達する前の、上陸したばかりの植物の姿を、残していると考えられます。普通のシダより、原始的です。
 マツバランを観察すれば、上陸したての頃の植物の様子がわかるのではないかと、期待されています。けれども、マツバランが、現在の陸上植物の直接の祖先に当たるのかどうかは、まだ、わかっていません。
 花も咲かないのに、マツバランは、園芸植物として栽培されることがあります。ことに、日本では、江戸時代から栽培されてきました。茎ばかりの植物なのが、珍しがられたようです。茎の形や、枝分かれの様子によって、いくつもの栽培品種があります。
 昔の人は、マツバランが、植物進化の秘密を握るものだとは、知らなかったでしょう。こんな地味なものを、園芸植物にするとは、渋い趣味だと思います(笑)
図鑑には、マツバランが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、原始的とされる植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヤマグルマは、生きている化石?(2011/02/11)
ヒカゲノカズラは、日陰に生える?(2009/12/07)
ヤシ? いいえシダの木です。マルハチ(2007/11/02)
センリョウとマンリョウはどう違う?(2007/01/08)
街路樹は生きている化石、イチョウ(2005/11/21)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2013年3月 1日 07:36に書いたブログ記事です。

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