得意技で守ります、ハゼとテッポウエビ

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 生き物の世界には、共生という現象があります。異種の生き物同士が、共に暮らすことです。今回は、その一例を紹介しましょう。ハゼとテッポウエビとの例です。
 ハゼは、魚の仲間ですね。海の沿岸域に多い魚です。多くの種は、小型です。専門的には、スズキ目【もく】ハゼ亜目【あもく】に属する種を、ハゼと総称します。
 ハゼの仲間の一部に、テッポウエビと共生するものがいます。テッポウエビとは、名のとおり、エビの仲間です。テッポウエビ科に属する種を、テッポウエビと総称します。
 これまでに、六十種以上のハゼが、テッポウエビの仲間と共生することがわかっています。ずいぶん多いと思いますか? これでも、ハゼの仲間のごく一部なのです。ハゼ亜目に属する種は、二千百種(!)を越えるからです。
 テッポウエビのほうは、二十種以上が、ハゼと共生するとわかっています。テッポウエビ科全体の種数は、いまだ不明ですが、三百種以上いることは確実です。それらのうち、実際には、どれだけの種が、ハゼと共生するのかは、わかっていません。
 ハゼとテッポウエビとは、どのように共生するのでしょうか? 彼らは、すみかを共有します。海底の砂や泥に穴を掘って、棲んでいます。穴を掘るのは、テッポウエビの役割です。ハゼよりも、テッポウエビのほうが、穴掘りが得意だからです。
 ハゼのほうは、見張り役を引き受けます。テッポウエビよりも、ハゼのほうが、眼がいいからです。危険なものが近づいたら、ハゼは、テッポウエビに警報を出します。互いに得意なことを分担して、協力しているわけです。
 先に書いたとおり、テッポウエビは、あまり眼が良くありません。言葉があるわけでもないのに、どうやって、ハゼは、テッポウエビに警報を伝えるのでしょうか?
 じつは、テッポウエビは、ほとんど常に、長い触角を、ハゼの体のどこかに触れています。ハゼは、危険を感じると、背びれや尾びれを細かくふるわせます。その振動が、警報になります。触角で警報を感じて、テッポウエビは、巣穴に逃げ込みます。
 得意技を生かして、共生するハゼとテッポウエビの姿は、微笑ましいですね。


過去の記事でも、ハゼやエビに関する記事を取り上げています。また、共生する生物についても取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヤドカリとイソギンチャクとは、仲良し?(2012/03/19)
アマエビ? いえ、ホッコクアカエビです(2012/02/27)
幸せな共生の形、ドロバチとダニ(2010/12/20)
そっくりさんがいっぱい、スジエビ(2010/02/01)
ミナミトビハゼ画像(2007/09/06)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2013年3月25日 07:20に書いたブログ記事です。

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