寄生虫に寄生する生き物がいる?

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 寄生虫という言葉は、少し、怖く感じる方が多いでしょうね。「自分が寄生されたら......」と、思ってしまうからでしょう。ありがたいことに、現在の日本人には、健康に害を及ぼす寄生虫がつくことは、ほとんどありません。
 けれども、生物全体を見ると、事情が違います。普通の人が思う以上に、寄生虫(寄生生物)が、非常に多いのです。野生の生物で、寄生虫を持たないものは、まず、いないと言ってよいほどです。寄生虫自身も、例外ではありません。
 寄生虫自身にも、寄生する生物がいることがあります。多くの寄生虫は、小さなものなのに、そんなことが、あり得るのですね。「寄生虫の寄生虫」は、とても小さなものということになります。実際、肉眼では見えない大きさの寄生生物が、多いです。
 そんなに小さくなると、寄生虫というより、寄生生物と呼ぶほうが、ふさわしいですね。微生物まで含めれば、「寄生生物の寄生生物」は、膨大な種がいると考えられます。
 寄生生物に、さらに寄生する生物がいる状態を、「超寄生」と呼びます。前記のように、超寄生する寄生生物には、顕微鏡的な、小さなものが多いです。肉眼で、その状態を観察できることは、少ないです。
 数少ない例外を、挙げてみましょう。カクレガニと、フクロムシとの例です。
 カクレガニとは、二枚貝に寄生する、小さなカニの仲間です。カクレガニ上科に属するカニたちです。オオシロピンノなどの種があります。アサリやハマグリを食べていると、殻の中に、小さなカニがいることがありますね。あれが、カクレガニです。
 フクロムシとは、カニと同じ甲殻類に属する生き物です。以前、このブログで取り上げましたね(宿主をあやつる、フクロムシの驚異(2011/10/17))。カニやエビに寄生する生き物です。カクレガニの仲間にも、寄生することがあります。
 例えば、アサリに寄生したカクレガニに、フクロムシが寄生したら、フクロムシは「超寄生」したことになります。カクレガニにしてみれば、アサリの中でぬくぬく暮らすはずだったのに、フクロムシに栄養を取られるわけです。何とも、皮肉な関係ですね。

過去の記事でも、寄生する生き物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ヒトデを泣かせる貝がいる?(2012/02/13)
宿主をあやつる、フクロムシの驚異(2011/10/17)
恐るべき?社会寄生、トゲアリ(2010/07/12)
ハリガネムシ(針金虫)は、ヒトに寄生する?(2008/08/27)
キチョウの雄(オス)が雌(メス)になる?(2007/09/03)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2013年7月 8日 07:53に書いたブログ記事です。

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