トケイソウの果実が、パッションフルーツ?

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 近年は、熱帯の果物が、日本の食卓に載ることが、多くなりましたね。そのような果物の一つに、パッションフルーツがあります。パッションフルーツは、日本語名を、何という植物でしょうか? これには、少し、ややこしい事情があります。
 一般的に、「パッションフルーツは、トケイソウの果実だ」といわれます。これは、誤りではありません。けれども、まったく正確かというと、そうとも言い切れません。
 トケイソウ(時計草)という種名の植物は、実在します。トケイソウ科トケイソウ属に属する一種です。日本には、自生しません。花を観賞するために、栽培されることはあります。つる草なので、垣根などに作ることが多いです。南米のブラジル原産です。
 原産地では、このトケイソウの果実を、食べることもあるようです。しかし、現在、日本でパッションフルーツとして食べられているのは、種名トケイソウの果実ではありません。トケイソウ科トケイソウ属の、別種の果実です。
 じつは、トケイソウ属の種の果実は、みな、パッションフルーツと呼ばれます。トケイソウ属の総称として、トケイソウの名を使うこともあります。その意味では、「パッションフルーツは、トケイソウ(属)の果実だ」という言葉は、間違っていません。
 とはいえ、「(普通に食べられている)パッションフルーツは、(日本で観賞用に栽培されている、種名)トケイソウの果実だ」という意味では、間違いです。
 食用にされるトケイソウ属には、いくつもの種があります。最も有名なのは、クダモノトケイソウという種です。この種も、ブラジル原産です。日本でも、南西諸島や、南九州などで、栽培されます。普通、パッションフルーツと呼ばれるのは、この種です。
 トケイソウ属では、他に、オオミノトケイソウ、モリシマトケイソウ、ミズレモン、アマミクダモノトケイなどの種が、果実を食用にされます。これらも、パッションフルーツというわけです。どれも、中米から南米にかけての、熱帯アメリカに産します。
 種名トケイソウ以外にも、花を観賞する種もあります。ベニバナトケイソウ、ホザキノトケイソウなどです。これらの種も、やはり、南米原産が多いです。
図鑑には、トケイソウなどが掲載されています。ぜひご利用下さい。

過去の記事でも、熱帯原産の果物を取り上げています。また、熱帯原産の観賞用の植物も、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
バナナは、最古の栽培植物?(2013/1/18)
コチョウラン? ファレノプシス? ややこしいランの名前(2013/01/11)
万葉時代のハイカラ植物? ケイトウ(2010/08/20)
チンパンジーの贈り物はパパイア?(2007/09/13)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2013年8月16日 07:55に書いたブログ記事です。

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