ソナレムグラの「ソナレ」とは?

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 今回は、海岸に生える植物を、いくつか紹介しましょう。海岸に生える植物には、おおむね、共通した特徴があります。葉に厚みがあり、全体的に、肉厚なものが多いです。
 例えば、ソナレムグラという草が、そうです。葉が肉厚で、光沢があります。海岸の岩場に、へばりつくように生えます。岩の中に緑があるので、目立ちます。
 ソナレノギクという草も、似た特徴があります。葉が肉厚で、光沢があります。海岸の崖地などに生えます。秋に、薄紫色の、美しい花を咲かせます。
 ソナレマツムシソウという草もあります。前記の二つの草と同じく、厚くて、光沢のある葉を持ちます。前記の草よりは、土っぽい海岸に生えるようです。
 三つの草には、「ソナレ」という名が、共通しますね。名前が似ているのは、互いに近縁だからでしょうか? 違います。「ソナレ」は、生態を表わす言葉です。漢字で書けば「磯馴」です。「磯に馴れる」ですから、海岸の岩場に適応していることを示します。
 前記の三つは、分類学的には、遠縁です。ソナレムグラは、アカネ科フタバムグラ属に属します。ソナレノギクは、キク科ハマベノギク属に属します。ソナレマツムシソウは、マツムシソウ科(または、スイカズラ科)マツムシソウ属に属します。
 三つに共通の「葉が肉厚で、光沢がある」特徴は、海岸で生きやすいように、適応した姿です。普通の陸と違って、海岸は、植物には、生きやすい場所ではありません。
 潮風や、強い紫外線や、海のしぶきなど、どれも、植物にとっては悪条件です。それらに耐えられるように、葉や体全体を、厚く、丈夫にしたのですね。
 三つの草には、他にも、共通点があります。どれも、独立種ではなく、変種や品種だという点です。元になる種があって、その種から、少し変異したものだということです。
 ソナレムグラは、元になる種に、日本語名がありません。ソナレノギクは、ヤマジノギクという種の変種です。ソナレマツムシソウは、高原にあるマツムシソウの一品種です。
 ソナレノギクやソナレマツムシソウの場合は、元の種が、内陸部に適応しています。その中から、海岸に進出していったものが、変種などになったのでしょう。
図鑑には、ソナレムグラ,マツムシソウが掲載されています。ぜひご利用下さい。


  過去の記事でも、海岸に生える植物を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
マルバ? ホソバ? シャリンバイの亜種とは?(2012/10/12)
キリンソウの名の由来は?(2011/7/1)
菊展の隠れた主役? イソギク(2010/11/15)
「つまま」の正体は、タブノキ?(2010/6/11)
扉【とびら】に挿すトベラの木(2007/1/29)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2014年7月18日 07:21に書いたブログ記事です。

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