日本の海トカゲ? ミヤコトカゲ

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 現在、生きているトカゲの中で、最も変わった生態の種は、何でしょうか? いろいろな意見があるでしょうが、ウミイグアナがその一種であることは、多くの人が賛成するところだと思います。海に潜って、海藻を食べるトカゲは、この種だけです。
 ウミイグアナは、世界中で、ガラパゴス諸島にしか、分布しません。他の地域には、海に潜るトカゲはいません。海辺に棲むトカゲですら、珍しいです。
 日本には、その珍しい、海辺に棲むトカゲが分布します。ミヤコトカゲという種です。
 ミヤコトカゲは、南西諸島の中の、宮古諸島(宮古島、伊良部島【いらぶじま】、来間島【くりまじま】など)にしか、分布しません。日本国内では、非常に限られた分布です。
 ところが、国外では、東南アジアや、太平洋の島々に、広く分布します。世界のトカゲの中でも、有数に広い分布域を持つ種といえます。
 ミヤコトカゲの生態は、よくわかっていません。特に、日本のミヤコトカゲは、そうです。フィリピンなど、他の地域の観察によれば、冬眠はせず、一年じゅう活動するようです。暖かい地域に棲むからでしょう。どこの地域でも、海岸の岩場に生息します。
 海岸は、棲むのに楽な所ではありません。水はすぐそばに豊富にあるものの、塩水です。日射しをさえぎるものが少なく、強烈な日射しが照りつけます。こんな所で、ミヤコトカゲは、何を食べて、どうやって生きているのでしょうか?
 彼らは、フナムシや、小型のカニを食べているようです。どちらも、確かに、海岸にはたくさんいますね。他種のトカゲと同じように、昆虫類を食べることも多いようです。
 彼らが岩場にいるのは、日射しをさえぎったり、外敵から隠れたりできる岩があるからです。岩には、彼らがひそめるだけの、適度な隙間がなければいけません。そういう岩があれば、海の波しぶきがかかるほどの所でも、生きてゆくことができます。
 日本のミヤコトカゲは、同種の中で、北限に棲むものたちです。海岸に棲むだけで珍しいのに、その点で、さらに貴重です。北限のミヤコトカゲたちは、どんな生活をしているのでしょうか? それが解明される前に、絶滅しないことを祈ります。


 過去の記事でも、日本のトカゲ類を取り上げています。また、宮古島の爬虫類についても、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
プレートと一致? 日本のトカゲの分布(2013/12/30)
トカゲモドキの美人コンテスト?(2013/11/11)
宮古島の生き物の謎(2013/7/1)
北極圏にも、トカゲがいる?(2012/12/7)
小笠原諸島のトカゲたち(2011/9/26)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2014年10月13日 07:20に書いたブログ記事です。

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