世界最長の二枚貝とは?

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 今回は、「世界最長」といわれる二枚貝を取り上げましょう。世界最大ではなく、世界最長です。二枚貝なのに、なぜ、世界最長という呼び名になるのでしょうか?
 世界最大の二枚貝は、オオシャコガイという種です。この種は、大きさが大きいだけで、普通の二枚貝と同じ形をしています。アサリなどと同じ、二枚の貝殻で、軟体部を包んだ形ですね。しかし、世界最長の二枚貝は、そういう形ではありません。
 世界最長の二枚貝は、エントツガイという種です。その殻が、煙突のように、細長い形をしています。その長さは、150cm以上になることがあるそうです。
 エントツガイが、こんな形になるのは、なぜでしょうか? エントツガイが、二枚貝の中の、フナクイムシの仲間だからです。フナクイムシは、軟体部が、ミミズのように、細長い形をしています。とても、二枚貝の仲間には、見えません。
 フナクイムシは、海中の木材に食い入ることで、知られますね。木材に穴をあけて、その中に棲みます。周囲の木材で守られるため、貝殻で、体を包む必要がありません。フナクイムシの貝殻は、ごく小さくて、体の前部に付いているだけです。
 エントツガイの場合は、幼生の頃だけ、木材に棲みます。成体になると、海岸のマングローブの泥の中に棲みます。泥から出ることは、ありません。このため、貝殻で体を守らなくても済みます。エントツガイの貝殻も、フナクイムシのように、ごく小さいです。
 ここで、変だと思った方がいるでしょう。貝殻が退化しているなら、世界最長になるという、エントツガイの「殻」は、何なのでしょうか?
 それは、エントツガイの棲管【せいかん】です。貝殻とは別に、泥の中に作られたものです。なぜ、貝殻と別に、わざわざこのような棲管を作るのかは、わかっていません。
 エントツガイの軟体部は、フナクイムシと同じように、細長いです。フナクイムシを巨大化した感じです。軟体部だけ見ても、やはり、二枚貝には、見えません。
 こんなエントツガイは、日本には、分布しません。フィリピンにいます。その棲管は、壊れやすいため、日本では、標本を見ることも、珍しいです。


 過去の記事でも、二枚貝の仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
シンカイヒバリガイの進化の謎(2014/3/17)
フナクイムシ(船食虫)は、船を食べる?(2013/9/23)
命名の傑作、ツキヒガイ(月日貝)(2011/9/19)
海の中にも、ウグイスがいる?(2011/5/2)
ムール貝やパーナ貝とは、どんな貝?(2008/12/12)
などです。

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このページは、松沢千鶴が2014年12月 1日 07:24に書いたブログ記事です。

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