ミツバウツギは、ウツギと遠縁

user-pic
0

ico_weather_hare.gif

 今の季節、山の中へ行くと、さまざまな花が咲いています。中には、花の美しさを買われて、人里で栽培される種もあります。けれども、山中でしか見られない種も、多いです。
 今回は、そのような一種を紹介しましょう。ミツバウツギです。
 ミツバウツギは、ミツバウツギ科ミツバウツギ属に属します。人里によく植えられるウツギとは、まったく別種です。ウツギは、アジサイ科ウツギ属に属する種です。
 遠縁なのに、ミツバ「ウツギ」という種名が付いたのは、なぜでしょうか?
 この理由には、二つの説があります。一つは、ミツバウツギが、ウツギと同じように、枝の中が中空になるからだという説です。もう一つは、ミツバウツギとウツギの花が、どちらも白くて、似て見えるからだという説です。どちらの説が正しいのかは、不明です。
 植物に詳しい方でも、ミツバウツギ科という科名を聞くことは、少ないでしょう。この科は、属する種が少ないため、目立たないのですね。科全体を合わせても、三十種ほどしかいないだろうといわれます。全世界で約三十種ですから、小さな科ですね。
 そのうち、ミツバウツギ属には、十種ほどが属します。この属で、日本に自生する種は、ミツバウツギただ一種です。他の種は、中国、ヒマラヤ、西アジア、ヨーロッパ、北米、中米などに分布します。日本に自生しない種には、日本語名が付いていません。
 日本のミツバウツギは、近縁な仲間が少ない、孤独な種といえるかも知れません。ミツバウツギ属以外のミツバウツギ科の種なら、ゴンズイと、ショウベンノキという種があります。ゴンズイはゴンズイ属で、ショウベンノキは、ショウベンノキ属です。
 美しい花が咲くにもかかわらず、日本のミツバウツギは、観賞用に栽培されることは、ありません。ところが、ヨーロッパでは、同じミツバウツギ属の種が、観賞用に栽培されることがあります。花の美しさに、目をつけた人がいるのでしょう。
 日本では、ミツバウツギが、食用にされることがあります。ミツバウツギの開いたばかりの若葉には、ほんのりと良い香りがあります。この若葉を、あえ物やおひたしにするそうです。これは、野菜というより、山菜ですね。山里の素朴な食べ物です。
図鑑には、ミツバウツギが掲載されています。ぜひご利用下さい。


 過去の記事でも、ミツバウツギ科の植物を取り上げています。また、ミツバウツギと種名が紛らわしい「○○ウツギ」についても、取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
地球の歴史の謎を解く? ドクウツギ(2013/11/8)
「○○ウツギ」は、ウツギの仲間か?(2013/10/11)
ノリウツギは、カミキリムシと仲良し?(2009/7/3)
ゴンズイの名の由来は?(2009/6/19)
卯月【うづき】に咲くから、ウノハナ?(2009/5/15)
などです。

月別 アーカイブ

このブログ記事について

このページは、松沢千鶴が2015年5月29日 07:40に書いたブログ記事です。

ひとつ前のブログ記事は「ハゴロモジャスミン」です。

次のブログ記事は「トチノキ」です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。