疑似餌【ぎじえ】を使うヘビがいる?

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 カメやトカゲやヘビなどの爬虫類は、あまり頭が良いようには見えませんね。けれども、実際には、かなり知的な行動をすることがあります。
 例えば、ワニガメというカメがいます。もともとは、北米の固有種ですが、日本にも、外来種として、棲みついています。このカメは、疑似餌を使って、獲物を捕えます。
 ワニガメは、舌の一部が、細長い虫のような形をしています。ワニガメが、水中で口を開けて、この部分をぴくぴくと動かすと、ミミズか何かが動くように見えます。これを、餌かと思って、小魚などが近づきます。そこをぱくり!というわけです。
 これまで、水中で暮らす爬虫類では、何種か、似たことをする種が、確認されています。二〇一七年になって、陸上に棲む爬虫類でも、似た行動が、確認されました。
 それは、パフアダーというヘビの一種です。アフリカに分布するヘビです。クサリヘビ科アフリカアダー属に属します。ヒトが死ぬほどの猛毒を持つヘビです。
 パフアダーは、ワニガメのような、特別な疑似餌器官を持ちません。普通のヘビと同じ、二股に分かれた舌を持つだけです。パフアダーは、この舌を、疑似餌に使います。
 カエルの前で、パフアダーが、この舌を、ゆっくりと動かすのが、観察されました。ヘビがよくやる、ちろちろした舌の動きとは、違います。パフアダーは、カエル類に対して、「このように舌を動かせば、餌と勘違いさせられる」ことを、知っています。
 舌に誘われて、カエルが捕食されてしまう場面が、確認されました。
 驚くべきことに、パフアダーは、別の疑似餌も使います。それは、鳥に対してです。パフアダーは、鳥に対しては、尾を疑似餌にします。尾を虫のように動かして、鳥を誘います。鳥が近づいたところで、がぶり、です。
 獲物の種類を見極めて、疑似餌を使い分けるなんて、かなり知的な戦術と言えますね。尾と舌と、両方をこのように使うヘビは、パフアダー以外には、知られていません。
 パフアダーが、どのように判断して、疑似餌を使い分けるのかは、まだ、わかっていません。研究が進めば、ヘビ類の知的な面が、もっと見えるかも知れませんね。br/>

 過去の記事でも、ヘビの仲間を取り上げています。よろしければ、以下の記事も御覧下さい。
ニホンマムシと、アメリカのマムシとは、同じ属か?(2016/8/26)
ヘビを食べるヘビがいる?(2015/7/6)
アオダイショウの祖先とは?(2014/6/23)
ウミヘビがいるなら、カワヘビもいる?(2013/8/12)
ヘビは、耳が聞こえないとは、本当か?(2013/6/17)

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このページは、松沢千鶴が2017年3月24日 07:02に書いたブログ記事です。

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